建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年6月号〉

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歴史的景観と調和しながらも新旧の緊張感ある対比関係を創出し、地域を再生

各世代にとって魅力的で住みたくなる居住空間に

北海道建設部住宅課 函館市道営住宅東川第2団地

北海道建設部住宅課は東川第2団地a棟の建設を進めている。
函館市は異国的情緒漂う歴史的な街並みを有する一方で、五稜郭地区から郊外への開発が進み、大型市街地として発展している。この流れを受け、歴史的建造物の建ち並ぶ西部地区では人口の流出、老齢化等の過疎化、疎外化が進展。歴史性を生かした新たな創造と歴史的景観の保全が一体となったうるおいのあるまちづくりが求められている。

函館市東川町は文久年代に生まれた市内古参のまちであり、諸外国の文化的影響を受けた明治・大正の建築物が数多く建ち並ぶ。東川第2団地の敷地は都市景観形成地区の東側に隣接しており、近郊には木造和洋折衷スタイルの町家や擬洋風の木造民家などの歴史的建築物も数多く点在する。
そのため、計画にあたっては『歴史的景観と調和の取れた活力ある街並みの形成』『地域活性化、定住促進に資する住環境の整備』『コスト縮減』をコンセプトとし、地域活性化、定住促進に資する住環境の整備を行う。

新団地は、他の道営住宅からの移転集約を行うことから、旧団地で熟成されてきた環境や集住環境の継承と発展が可能な空間づくり、周辺地域と一体となったコミュニティ形成を促進する住環境づくりに配慮した。
住戸プランは3LDKを基本としながら、入居者の特性を考慮した間取りの設定を行い、各世代の人々にとって魅力的で住みたくなるような居住空間を心がけた。また子供からお年寄りまで、誰もが安全で安心して暮らすことのできるユニバーサルデザインを目指している。

外観は、歴史的な様式からの安易な模倣や、構造・機能に関係のない装飾的なものは避け、本質を踏襲しながらも新旧の間に緊張感のある対比関係を創出。地域を再生し、活力ある町並みを形成できるデザインとした。
建物のスカイラインは、函館山や外縁の丘陵の輪郭と調和し、威圧感のない構成とした。屋上、屋根面は高彩度の色彩を避け、周辺と調和するように配慮。地域にふさわしい色彩、耐久性に優れた材質を使用し、メンテナンス性を考慮したデザインとなっている。
外構は部分的にレンガや石など函館になじんだ素材を有効に使用し、周辺地域との親和性を高めた。案内板、街路灯、植樹帯などについても歴史的景観に配慮した色彩デザインの統一化を図っている。
竣工は今年8月を予定している。

函館市道営住宅新築工事(仮称 東川第2団地A)

[A-1建設工事]
●建築主体工事/高木・今井・小泉特定建設工事共同企業体
株式会社高木組
函館市東雲町19番13号
TEL. 0138-22-1195
株式会社今井工務店
函館市西桔梗町849番22号
TEL. 0138-48-554
4
小泉建設株式会社
函館市昭和3丁目36番13号
TEL. 0138-45-7777
●電気設備工事/拓北・大鎌経常建設共同企業体 ●建具工事
函館拓北電業株式会社
函館市的場町16番14号
TEL. 0138-51-1966
大鎌電気株式会社
函館市美原3丁目36番5号
TEL. 0138-46-1378
有限会社阪井建具製作所
函館市松川町2番20号
TEL. 0138-41-2038
●衛生設備工事/川股・高丘・キムラ経常建設共同企業体
株式会社川股設備工業
函館市美原5丁目13番10号
TEL. 0138-46-6399
株式会社高丘設備工業
函館市高丘町54番13号
TEL. 0138-59-2377
株式会社キムラ住設
函館市昭和3丁目2番29号
TEL. 0138-42-0091
[a-2建設工事]
●建築主体工事/高橋・石井経常建設共同企業体
株式会社高橋組
函館市高盛町3番20号
TEL. 0138-52-2247
株式会社石井組
函館市千代台町1番9号
TEL. 0138-51-7266
●電気設備工事 ●建具工事
株式会社依田電気工事
函館市美原4丁目18番8号
TEL. 0138-46-2771
有限会社葛西木工場
函館市陣川町85番91号
TEL. 0138-51-9519
日本エレベーター製造株式会社
札幌営業所/札幌市中央区南1条西
2丁目南1条kビル
TEL. 011-231-5551

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