〈建設グラフ1999年3月号〉

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新潟港

環日本海拠点及び多極分散型国土形成を支える
中核国際港湾としての新潟港整備

運輸省第一港湾建設局新潟港工事事務所

新潟港は、日本海沿岸のほぼ中央に位置し、古くから海上交通の要衝として、また背後地域の産業基盤として重要な役割を果たしており、昭和42年に特定重要港湾に指定された。
近年新潟港の背後圏は、上越新幹線はじめ、北陸、関越、磐越自動車道の開通など、高速交通体系の進展により、今後、関東圏との結びつきが強まり、これを契機に地域の活性化が期待される。また、日本海側における玄関口として発展することが予想され、本港が流通機能面に果たす役割も一層、増大するものと考えられる。
さらに、わが国の国際化に対処するため、新潟港を国際交流などの機能を有する新たな拠点として整備するととともに、産業構造の変化に対応した高度な産業空間の形成を図ることが望まれている。
また、船型の大型化、コンテナ化に代表される輸送革新に対応するとともに、港の活性化を図るための再開発や海洋レクリエーション需要に対応した施設整備の必要性も生じている。
新潟港では、この様な要請に対処し、環境保全に留意しつつ、日本海沿岸における代表的な国際貿易港として機能の拡充を図るため、東港区と西港区の適正な機能分担を図りながら整備を進めている。

新潟港(西港区)
万代島地区
新潟みなとトンネル

【西港区】
西港区では、港湾の安全性や安定性の向上など、流通拠点としての機能充実を図るほか、港湾の活性化を図るため、港湾の再開発や国際交流機能の整備を進めている。
この計画に基づき、入舟地区における港湾関連交通の円滑な流動化を図り、西港機能の一体化、物流の高度化、さらには災害時の緊急輸送路として信濃川河口部において、左右岸を連絡する臨港道路「新潟みなとトンネル」を整備している。
また、船型の大型化、輸送の合理化、荷役の効率化等の輸送革新に対応して、物流ターミナルの形成を図るとともに、海洋性レクリエーション拠点としての機能も整備している。
一方、万代島地区は、現在、佐渡観光の玄関口となっているが、市街地にも近接しており交通至便な場所であることから、新たな開発空間として期待されている。このような状況を踏まえ、この地区を、大交流時代に対応した日本海側の国際交流拠点として整備することにしている。

新潟港(東港区)
国際コンテナターミナル(西埠頭)

【東港区】
東港区は、経済社会の変化に的確に対応した産業空間の形成を図るとともに、外貿コンテナ基地や防波堤の整備など物流拠点としての機能充実を図っている。
そのため、西埠頭地区においては船舶の大型化や輸送革新に対応した、国際コンテナターミナルを整備している。
東埠頭地区と南埠頭地区においては、物流需要の増大や船型の大型化に対応するとともに、工業開発に対応した外内貿埠頭を整備している。


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