建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年12月号〉

都市基盤整備公団

つくばエクスプレス沿線のまちづくりが本格的にスタート

自然と調和し、国際性・文化性・情報性を併せ持った次世代型都市を構築

つくばエクスプレス周辺地域の土地区画整理事業

平成17年度の開業を予定しているつくばエクスプレスは、秋葉原を起点に、北千住、八潮、流山、柏、守谷などを経由してつくばまでの28.3kmを45分で走る高速鉄道。首都圏北東部の交通アクセスの整備と、沿線地域の活性化を目指して計画され、鉄道整備と併せた沿線のまちづくりが一体的に進められている。
平成14年度には首都圏中央連絡自動車道が一部開通し、さらなる広域的な交通ネットワークの構築が進んでいる。
沿線は東京50km圏内に位置し、現在人口は約17万人であるが、沿線開発による自立型の都市圏を形成し、将来は約30万人の人口を見込む。
都市基盤整備公団では整備に当たり、「みらい平・いちさと」(つくばエクスプレス沿線地域)地域整備の3つの理念(1.暮らし方、働き方、生き方の未来を拓く「郊外型社会」の実現、2.首都圏における新しい「産業機能」の創造、3.長期を展望した「沿線文化」育成)を軸に、新たな生活都市空間を創造する。現在は埼玉県で八潮南部中央、三郷中央、千葉県で流山新市街地、柏北部東、茨城県では萱丸、葛城、中根・金田台の基盤整備を進め、既存の自然環境と都市が調和・融合した個性豊かな田園市街地の形成を目指す。
恵まれた自然環境と調和したまちづくり
沿線には万葉の昔から名高いつくば山や、地域の人々が長い年月をかけて育んだ里山の雑木林が多くあり、緑に彩られた豊かな田園風景が広がっている。
都市公団ではこのつくばエクスプレス沿線の開発予定地区および地区縁辺部の目標緑被率を約40%に設定。地域の環境資源を将来にわたって守り、育てるため、河川や自然林、屋敷林、農地などに加えて、公園や緑地、調整池などを新たに整備し、それらを結ぶ水と緑のネットワーク構想を計画している。
同時に散策路や源流の森、水の里といった自然とのふれあいの場の設置も検討。川を中心とした水の繋がり、緑の繋がりを広域にわたって保全し、同時に水と緑のネットワークや地中に雨水を戻す雨水貯蓄浸透施設を生活の中に採り入れるなど、自然の力を上手に活用するまちづくりを進める。このシステムは各住宅に浸透ますやトレンチを整備することで防災効果をもたらすとともに、地下水の涵養や湧水の保全などにも役立たせる。
このほか、光や風など自然のエネルギーを積極的に活用し、循環型社会にふさわしい田園に根ざしたまちづくりを進める。
▲動植物の生息環境を保全する
水のネットワークを構築
安心して暮らせるまちづくり
つくばエクスプレス沿線の街は国際性・先進性に富み、住む人がグローバルで知的な生活文化意識を育める場所として整備が進められる。
新しいまちには誰もが使いやすいデザインを採り入れ、お年寄りや身体の不自由な人、そして子供達が安心して暮らせるよう、バリアフリー対応とし、住み心地の良いまちを計画。また、駅の近くに子育てや介護のためのファミリーサポートサービスや郵便局、診療所など、暮らしに必要なサービス施設と情報ネットワークを活用した生活支援サービスなどの導入も検討している。
情報ネットワークシステムの構築
高度情報化社会に対応したマルチメディアな暮らしを実現するため、まちの基盤として光ファイバー網を導入し、自宅と病院を繋いで行う健康管理や医療相談、災害時の危険箇所や避難場所の情報など、毎日の暮らしに必要な情報の提供できるシステムを計画する。
また、市民活動の情報交流やビジネス映像情報の提供など、新たな産業創出にも役立つ情報を提供する。
▲つくばがめざす田園都市のイメージ
(英国レッチワース)
▲筑波研究学園都市

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