建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年12月号〉

ZOOM UP

開放的な計画でコミュニケーションを活性化

地上12階・地下1階の一番高い建物として大学の顔を形成

筑波大学　総合研究棟B

筑波大学は数理物質科学研究科、システム情報工学研究科を中心とする幅広い学問分野が融合する総合研究施設として、キャンパス中地区に総合研究棟bの整備を行っている。この新たな学問の枠組みづくりの先鞭となる総合研究棟は「開かれた大学」の顔として位置づけられる施設となる。

＜配置計画＞
中地区東西を結ぶ車道沿いに面して壁面後退し、西側通りの副空間軸に「ゲート性」を持たせることでキャンパス内の賑わいが外に溢れ、人々を迎え入れるような雰囲気を創造する。
また、美しいマウンド上での既存緑地を活用し、本建物と図書館棟に囲まれた賑わいの広場を配置。学生や教職員のほか、地域住民にとってもくつろぐことの出来るオープンな空間を構築する。さらに、ペデストリアンウェイでベンチャービジネス棟と連絡するよう配置されている。

＜動線計画＞
副空間軸に面したピロティ中央部に主メイン玄関を設け、evホールに導く設計とした。サブ玄関は第一学群からのアプローチ出入口ともなるよう、南面のギャラリーを通り、evコアに導いた。また、メイン出入口と隣接して管理事務室を設置し、夜間の出入口として対応出来るよう配慮した。

▲3層吹抜けイメージ（敷地を望む）

▲ピロティイメージ（東側）

また、実験機器・設備機器の搬出入に配慮し、高層部の機器の更新に対応して大型EVを設置するほか、予備として南面外側に搬出入デッキも配置している。更新時には各階の道路側に設備デッキを設けておき、クレーンで対応できるよう設計された。日常車両の寄付きは副空間軸脇に設けた。

＜平面計画＞
賑わいのある広場東側に研究室ゾーンを設け、活気があふれ出るように配慮された。実験室ゾーンは可変性・拡張性に配慮し、道路側にまとめて配置される。
研究室と実験室を囲む中央部にはヒューマンでダイナミックな空間となる3層吹き抜けを設け、1層目にはギャラリーを配置して、自然光が降り注ぐテラスにいるようなフレッシュな環境で研究者間の交流を促した。各実験室外には空調、実験ダクト、排水などの設備スペースを設置。中央部には主導線となるEV、屋内階段を設ける。各階エレベータホール脇の広場を望む部分にはラウンジリフレッシュルームを設けて来訪者にもわかりやすい動線にした。また、省エネルギーに配慮し、空間の高低差利用して通風喚起を促し、空調利用料の負担低減を図る。

＜断面構成＞
3階ごとに研究成果発表、ラウンジ機能に対応するギャラリーを設ける。地下階は振動などハードな実験に対応した実験室を配置した。実験棟の屋上には設備機械スペースを設け、更新しやすい設計とする。また、研究室棟最上部には研究者のやすらぎの場として眺望テラスを設ける。

＜外観＞
外観は筑波大学の顔として先進性をアピールした。また、隣接するa棟と相似性を持たせることによって副空間軸をアピール。相乗効果が生まれるような外観とした。さらにb棟の独自性として、3層構成のダイナミックさを表現している。

先端・学際領域の教育研究活動を支援

筑波大学総合研究棟ｂ

●建築工事／鴻池・伊藤・鈴縫特定建設工事共同企業体
代表取締役社長　大岩 祥一 常務執行役員東京本店長　佐藤 一 本社・大阪本店/大阪市中央区北久宝寺町 3-6-1 TEL. 06-6244-3500 東京本店/東京都千代田区神田駿河台 2-3-11 TEL. 03-3296-7700	常務取締役東京支店長　佐藤 東平 東京支店/東京都中央区日本橋2-8-11 旭洋ビル TEL. 03-3271-3611	執行役員支店長　高槌 勝利 茨城県土浦市大町14-16桜川ハイツ2F TEL. 029-823-0722
●電気設備工事
取締役社長　塩崎 健二 取締役東京本部長　中村次夫 本　　店/高松市松島町1丁目11番22号 TEL. 087-836-1111 東京本部/東京都港区虎ノ門1丁目25番5号 TEL. 03-3591-0255
●機械設備工事／朝日・菱機・泉屋特定建設工事共同企業体
代表取締役社長　高須 康有 本社/東京都港区浜松町1-25-7 TEL. 03-3432-5711	専務取締役東京本社代表　宮崎 正則 東京本社/東京都豊島区東池袋1丁目25-6 信友池袋ビル TEL. 03-3590-5000	代表取締役社長　諸岡　襄 本社/東京都文京区春日2丁目13番4号 TEL. 03-3812-5261
●エレベーター工事
常務執行役員支社長　沼　規矩男 東京支社/東京都品川区大崎1丁目11-2 ゲートシティ大崎イーストタワー TEL. 03-5740-6002