建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年12月号〉

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国内三大湾以外で初となる水深15ｍの国際海上コンテナターミナルを供用

後背地と港を結び、アクセスと一体化した整備を実施

国土交通省 中部地方整備局　清水港湾事務所

▲清水港

清水港の沿革

清水港は本州のほぼ中央にある駿河湾の西側に位置し、富士山を背景に三保半島を天然の防波堤として、日本書紀の時代から栄えた港である。
戦国時代には、今川・武田・豊臣など群雄の戦略基地として用いられ、江戸時代には千石船の出入りで賑わうなど、清水港は幾多の時代変遷を経てきた。そして時代の経過に伴い、湾内の形状が自然の力によって変化し、港の中心地もそれに伴って推移してきた。
明治以降は国の管轄となり、明治11年に清水波止場が築造され、近代港への道を歩み始める。明治32年には開港場に指定。39年には、製茶の直輸出第一船の神奈川丸が北米に向けて出発し、国際港としての船出を迎えた。
明治42年に第一期修築工事が進められるのを皮切りに、大正10年から第二期修築工事が実施され、日の出岸壁などが建設された。
昭和10年代には塚間・貝島地区などの埋立地に日本軽金属などの大企業が立地。昭和45年には初めてコンテナ船が入港し、現在まで地域のコンテナ輸送に対応した国際コンテナターミナルを有する中核国際港湾として発展している。

▲新興津コンテナターミナル

コンテナターミナルの整備

近年の国際分業体制に伴って、清水港のみならず日本の港湾のコンテナ取扱量は年々増加し、船舶の大型化が進んでいる。
今日までの清水港は大型コンテナ船が入港する際、岸壁水深の関係から、貨物を満載した状態での入港ができず、喫水調整を行わざるを得なかった。
そこで大深度かつ地震に強い岸壁であるとともに、「安く、速く、安全で信頼性の高い海上物流サービス」が提供できる港を実現するため、新興津地区で大深度の岸壁を含めたコンテナターミナルの整備が進められた。
この国際海上コンテナターミナルは国内三大湾（東京、伊勢、大阪）以外では初となる水深15mの岸壁を備え、今年6月に供用。国際競争力の強化が図られる。
現在では北米・欧州航路を含め、16航路20サービスの外貿定期航路が開設しており、このターミナルの供用によって今後のさらなる発展が期待される。

▲コンテナターミナルの現状

▲新興津国際海上ターミナル イメージパース

▲航路・泊地

広域交通ネットワークとの連携

清水港は、静岡県内の物流拠点としての役割のほか、近隣他県との物流拠点としてもさらなる発展が望まれている。
現在は港と背後地域を結ぶ第二東名高速道路、中部横断自動車道などの整備が進められており、港湾整備との一体的な連携によって道路ネットワークを構築し、港の利便性の向上を図っている。

市民に親しまれる港づくり

近年の港湾を取り巻く環境の変化に伴い、市民に親しまれる港づくり、広域的な観光拠点を目指して、平成元年から日の出再開発事業に着手している。現在は概成し、イベント会場として多くの人で賑わっている。平成4年には清水港みなと色彩計画が策定され、色彩面からの港の計画が進められている。

平成15年度事業概要

今年度の事業としては、同じく新興津地区で防波堤を整備し、前面泊地の静穏度を確保するほか、岸壁前面の浚渫による泊地の確保を図る。
また、外港地区においては、検疫錨地への反射波対策として、防波堤前面の改良を推進する。

清水港の早期整備に貢献

日本港湾空港建設協会 静岡県支部