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特集 首都圏・鉄道新時代
東京都、世田谷区、小田急電鉄鰍フ三者は、小田急線世田谷代田駅〜喜多見駅間(6.4km)の連続立体交差事業及び複々線化事業を進めている。この地域は従来から慢性的な交通渋滞に悩まされていたほか、鉄道によって地域が分断され、沿線のまちづくりに大きな障害を与えていた。このため、平成6年から鉄道を立体化して踏切をなくし、より快適なまちづくりを可能にする連続立体交差事業に着手した。これに併せて小田急電鉄(株)では、鉄道輸送力の強化とラッシュピーク時間帯の混雑緩和や所要時間の短縮を図るため、複々線化工事を進めている。
工事は平成16年度中の完成を目指しており、高架橋の約8割が完成。平成12年4月の祖師ヶ谷大蔵駅付近の立体化を皮切りに平成13年10月には千歳船橋駅付近の下り線の高架切り替えが終了し、これにより千歳橋1号踏切では、踏切遮断時間が着工前の48分から28分に短縮された。平成14年度には、梅ヶ丘〜経堂駅付近の下り線を高架化、成城学園前駅付近の下り線を掘削し、工事区間の下り線全線を立体化。上り線についても立体化が完成し、工事区間の全ての踏切がなくなった。
昨年12月には上り線全線が高架化し全ての踏切が除去。鉄道が立体化され、踏切がなくなったことによって交通渋滞の緩和、鉄道と道路、歩行者の安全性が向上するとともに、緊急時における消防・医療活動の円滑化が図られた。また、鉄道によって隔てられていた市街地の一体化や、これに伴う駅周辺の整備にも大きな役割を果たすことになる。
一方この事業とあわせ、区間内にある6駅にエスカレーター、エレベーターの昇降設備や身障者トイレを設置し、周辺の一層のバリアフリー化を進めることとしている。
工事は複線である既設路線の南側に2線分の構造物を構築し、その構造物に線路を切り替えたあと、残りの2線分を構築して複々線化となる。
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▲千歳船橋〜祖師谷大蔵間 |
▲複々線化区間(狛江〜和泉多摩川間) |
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▲成城学園前駅 | ▲各駅にはエレベーターと エスカレーターが設置されている |
▲高架下空間を利用した駐輪場 |
<工事概要> 都市高速鉄道第9号線(小田急小田原線) 【区間】 世田谷代田駅(世田谷区代田3丁目)〜喜多見駅(世田谷区喜多見8丁目) ・延長約6.4km(高架約5.6km、掘割約0.8km) 【駅施設】 梅ヶ丘駅、豪徳寺駅、経堂駅、千歳船橋駅、祖師ヶ谷大蔵駅、成城学園前駅 ・ホーム長 各駅210m(10両編成対応) ・ホーム幅員約 3〜12m ・エスカレーター 各駅上りホーム2基、下りホーム2基 ・エレベーター 各駅上りホーム1基、下りホーム1基 |
<建設の経緯>
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