建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年5月号〉

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特集・わが国の文教施設整備最前線

地域の救急医療の役割を果たすヘリポートを設置

診療・教育・研究が一体となって機能するバリアフリーホスピタルを目指す

国立大学病院ではじめて免震構法を採用 金沢大学医学部 附属病院中央診療棟

▲完成予想図
▲ホスピタルプロムナードイメージ
▲大地震にも人命の安全性が確保される、免震構造

金沢大学医学部附属病院は、1862年に加賀藩が金沢彦三に開設した種痘所を起源とし、医科大学としては全国で3番目につくられた北陸の中心的な医療機関である。同大学では将来構想の4つの基本理念(1.高次医療機関としての機能強化、2.人間性を重視した質の高い医療の実現、3.地域医療への貢献、4.診療及び事務機能の効率化)に基づいた総合的、学際的な医療と教育研究体制を実現するため、医学部附属病院の整備を行っている。

土地利用計画に当たっては、敷地の半分を病院ゾーン、正門から外来駐車場ゾーン、中央診療棟・外来診療棟ゾーン、病棟ゾーンと患者動線の流れを重視した計画とした。このうち、奥に位置する10階建ての新病棟は平成13年10月に完成しており、現在は中央診療棟の新築整備を行っている。
中央診療棟の建設に当たっては、加速度的に進歩する医療機能への対応を即座に求められる施設を目指し、増築スペースを確保して拡張性に配慮。また、「安心感」をキーワードに、大地震時にも人命と財産の安全性を確保し、継続して医療活動が行えるよう、国立大学病院ではじめて免震構法を採用した。これは地下1階の柱直下に配置した天然ゴム系積層ゴム+ダンパー(鉛・構棒)の構成する免震層によって、建物の揺れを抑えるもので、阪神大震災クラスの直撃にも耐えうる機能を備えている。免震構法は中央診療棟のほか、病棟、外来診療棟、ホスピタルプロムナードにも採用している。

各階の構成としては、地下に放射線部、アイソトープ部、材料部、機械室を配置。1階は緊急な対応が可能となるよう救命救急センターを設置し、他に放射線部、感染症病床を配置した。2階は光学医療診療部、放射線部、血液浄化療法部、3階は検査部、病理部、電子顕微鏡センターを配置している。4階は全て手術部とし、広いスペースを確保した。屋上には地域の救急医療で重要な役割を果たすヘリポートが設置される。

建設地は金沢市宝町の現金沢大学医学部附属病院地内。地下1階・地上4階建、延べ面積は17,510m2となる。

金沢大学医学部附属病院中央診療棟新営工事
●建築工事/清水・真柄・兼六特定建設工事共同企業体

北陸支店/金沢市玉川町5-15
TEL. 076-220-5555


金沢市彦三町1丁目13-43
TEL. 076-231-1266


金沢市松島2丁目20
TEL. 076-249-2211

●機械設備(衛生)工事/ダイダン・アムズ・鈴木管特定建設工事共同企業体

北陸支店/金沢市尾張町1丁目6-15
TEL. 076-261-6147


金沢市西和泉3丁目92
TEL. 076-241-6181


金沢市尾張町2丁目9-1
TEL. 076-262-6301

●機械設備(空調)工事/川崎・菱機・金澤特定特定建設工事共同企業体

北陸営業所/金沢市小金町17-11
TEL. 076-252-1291


金沢市御影町10-7
TEL. 076-241-1141


長野市大字中御所岡田町157番地
TEL. 026-226-5222

●電気設備工事

金沢営業所/金沢市広岡1丁目3-36
TEL. 076-232-9179


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