建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年5月号〉

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特集・わが国の文教施設整備最前線

多様なニーズに対応する教育・研究環境に改善

農系総合研究棟歴史ある農学部本館の外観に配慮

北海道大学 主な文教施設整備事業

構造・規模:鉄筋コンクリート造地上6階 延床面積:5,154m2

伝統ある農学部の中心的な役割を期待されているのが、農系総合研究棟である。この建物は歴史ある農学部本館の西側に当たり、1階部分を同じスクラッチタイル張り、2階から上は磁器質タイルを使用し、質感の違いによって本館の印象を相殺させないよう、景観に配慮している。
棟内は西側に教官室・セミナー室を、東側に実験室、北側には大部屋のプロジェクト実験室を配置しており、教育・研究環境の改善と、多様なニーズに対応出来るプロジェクトスペースを備えた。中央にはライトコートが配置され、廊下側の扉に欄間を設けることで自然な換気を促すよう工夫されている。

●農系総合研究棟新営建築主体工事

札幌市中央区北4条西4丁目1
TEL.011-261-6111

創成科学研究棟

施設・設備の集中的な整備配置で研究・管理の効率化を推進

構造・規模:鉄筋コンクリート造地上5階 延床面積:18,909m2

創成科学研究棟は、研究・管理の効率的な推進を図るため、創成科学研究機構、触媒科学研究センター、ナノテクノロジー研究センターの3施設からなる複合建物である。この施設は新営の次世代ポストゲノム研究実験棟とブリッジで結ばれ、情報資料室やセミナー・会議室等が共用出来る設計となっており、また研究者の交流・情報交換が活発に行われるよう、広く明るいエントランスホールやサイエンスプラザが配置されている。先端的研究を担う大型実験室には変化に対応出来るpc工法を採用し、フレキシブルな大空間を実現した。ナノテクノロジーの基礎技術研究を行うクリーンルームには、風量制御可能な空調システムを採用。運用コストの低減を図っている。東西面にはスリット型のダブルスキンを設けることで日差しを遮り、メンテナンスデッキスペースとした。さらに屋上緑化を採用し、設備負荷を低減するなど、省エネルギーに努めた設計となっている。

●創成科学研究棟新営建築主体工事

札幌支店/札幌市中央区北1条西3丁目(札幌三和ビル)
TEL.011-210-7777

次世代ポストゲノム研究実験棟

フレキシブルな大空間で共同研究体制を構築

構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階 延床面積:5,454m2

次世代ポストゲノム研究棟は、同大学の先端的な分野である、ポストゲノム研究のさらに先を見据え、バイオサイエンスの広い分野での共同研究体制を実現させるための中心的な役割が期待される。

T期では化学系を中心とした研究分野と、別棟のnmr棟を整備し、A期で動物実験施設やri施設・生物系を中心とした研究分野が計画されている。棟内は中央コア方式で1フロア2分野を配置し、各分野内は高度な実験にも対応出来るようハーフpc工法を採用。フレキシブルな大空間を確保している。

また、研究スペースを経由しないメンテナンスを可能にするため設備シャフトを南北の外周に配置。西側は西日を遮断すると共に、緊急避難も考慮したメンテナンスデッキを設けている。

●次世代ポストゲノム研究実験棟新営建築主体工事

札幌支店/札幌市中央区北3条西3丁目(北3条三井ビル)
TEL.011-231-5181

文系総合研究棟

既存建物と一体化し、建物全体の機能的な連携を推進

構造・規模:鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階地下1階 延床面積:7,990m2

文系総合研究棟は、文系4学部の校舎を総合化した新世代志向の施設である。建物は中央道路に面し、『南アカデミックゾーン』の一角を構成しており、樹木の立ち並ぶ道路に圧迫感を持たせないよう、柔らかく、さりげない感覚を引き出せる外観となっている。

平面計画としては文系施設全体の有効利用を図るため、共同利用が可能な講義室・演習室を配置すると共に、1・2階は既存建物に対してスロープで連絡する等バリアフリー化を進めている。6階は固定の間仕切壁を設けずに、大空間をフレキシブルに利用可能な学内の共用ラウンジを配置している。

中央エリアには吹き抜けを設けることによって開放的な空間を演出し、ドラフト効果による自然換気で省エネルギーを図っている。

●文系総合研究棟新営建築主体工事 ●文系総合研究棟新営機械設備工事 ●文系総合研究棟新営電気設備工事

札幌支店/札幌市中央区北4条西7丁目1
TEL.011-251-6151

札幌支店/札幌市中央区北10条西21丁目2-5
TEL.011-611-1321

北海道営業所/札幌市中央区南9条西16丁目1-1
TEL.011-551-1571

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