建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年4月号〉

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特集・わが国の文教施設整備最前線

大学院拡充に対応する研究施設

社会に還元できる研究成果の発信基地として

埼玉大学 総合研究棟

埼玉大学は、学部、学科の枠を超えたプロジェクト研究・実験の拠点施設として、「総合研究棟」の整備を進めている。
同大学は現在、大学院理工学研究科(工学系)の大学院拡充整備による教官、大学院修士等の定員増や大型機器の増加により著しく狭隘化。大学院はもとより学部等においても同じような状況にあり、教育研究に多大な支障をきたしている。また、平成7年度に設置されたプロジェクト研究の中心的役割を担う環境制御工学専攻(博士課程・独立)の施設が未整備なため、その施設の確保が求められており、この総合研究棟は、これら課題に対応するための施設となる。

施設の階構成としては、1、2階はホール及び講義室による共有エリア。ホールでは研究成果の発表・交流の場等多目的スペースとし、高機能講義室(シアター教室等)を設置する。また、3階から10階は研究・実験エリアとし、3、4階をプロジェクト系エリア、5階から10階を工学系としている。
研究・実験エリアについては東西を軸として北側を研究ゾーン、南側を実験ゾーンとし必要に応じて間仕切りが容易に出来るよう計画。外観は格子状の彫りの深いデザインとし、ルーバーやスパンドレル等の金属を用いることで研究の先端性を表現し、色調をライトグレー系とすることにより、周辺の緑と調和させている。

本建物はキャンパスの中心にあり、既存の建物中一番の高層建築物となり、大学のシンボル的ランドマークとして位置づけられる。大学の研究施設としても中核を担うものであり、学内から大きな注目を集めているところだ。
建設地は、さいたま市下大久保の埼玉大学大久保1団地構内で、敷地面積は263,040m2、建築面積は899m2、構造・規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上10階建てで、延べ床面積は8,267m2となっている。


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