建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年1月号〉

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“日本海大交流時代”の拠点へ−進む万代島再開発

平成15年5月の開業に向け、信濃川のウォーターフロントにコンベンションセンター、ホテル、オフィスを建設

新潟県 朱鷺メッセ(万代島再開発)


新潟県が、新潟市の中心部、信濃川のウォーターフロント・万代島地区で進めている再開発事業が、完成に向けて大詰めを迎えている。この事業は、“日本海大交流時代”の幕開けを睨み、同地区にコンベンションセンター、ホテル・業務施設等を建設して県勢発展の拠点として整備するもの。コンベンションセンターの名称も、昨年、一般公募により、新潟県の県鳥で特別天然記念物の“トキ(朱鷺)”とドイツ語の見本市という意味の“メッセ”を組み合わせて「朱鷺メッセ」に決定。平成15年5月の開業を目指す。
日本海地域の中心都市・“水の都”新潟に生まれる、新たな交流の拠点
万代島地区は、新潟駅から新潟港の間、市街地のちょうど中心部にあたる。その上、万代島の用地の大部分は県有地であることから、まとまった面積の開発が可能という好条件も重なり、“水の都”としての新潟の都市イメージを生かし、国際交流拠点を整備する場所としては最適の場所だ。
一連の工事は平成12年10月に着手されたが、現在、再開発が進められている用地の面積は約34.3ha。このうち、平成15年5月の開業を目指して整備を行う区域(先導的再開発事業区域)は約15.6haとなっており、平成18年頃には、現在は対岸にある地方卸売市場の移転計画もある。
槇文彦氏が景観をコーディネート
三方を水辺に囲まれた万代島。建設される諸施設は、こうした島の特性を生かしながら、島全体を一つのアイデンティティのある新しい空間として創出。コンベンション複合施設は、その新しいイメージ創出の核として位置づける。
また、建物の景観デザインは、水平に飛翔する展示場の屋根と、垂直に立つ高層ビルのタテ・ヨコのバランスが取れた簡明なシルエットを空に描く。
こうした施設の設計と万代島の都市景観をコーディネイトするのは、高松宮殿下世界文化賞などの受賞で世界的にも有名な槇文彦氏だ。槇氏の設計は、信濃川ウォーターフロントの立地環境を最大限に生かしたもので、緑の浮島、信濃川に浮かぶ船を髣髴とさせる。
▲コンベンションセンター正面 ▲国際会議場
国際会議場・展示場とホテルの機能を一体化
コンベンションセンターの概要は、延床面積約31,000平方メートル、鉄骨・鉄骨鉄筋コンクリート造、地上4階建。本格的な国際会議場と国際展示場を備える。隣接されるホテル・業務施設と機能が一体化されるが、こうした施設は全国的に初めて。展示場は、長さ132m、幅約60m、天井の高さは約18〜25m、広さは7,800平方メートルの大空間で、千葉県の幕張メッセ1スパンより広い。興業イベント、スポーツイベント等各種イベントの開催が可能で、国際会議に必要な同時通訳ブースの設置や最新itにも対応できる光ファイバー・通信メタルケーブルの敷設にも工夫をこらす。
会場・展示場の稼働率は、他県の類似施設や新潟市の産業振興センター等の利用率データを参考に、開業5年後の平成20年には会議場60%、展示場80%を目標稼働率に設定。様々な誘致活動に向けて取り組んでおり、開業後の経済波及効果は、1年間の開催分で約304億円と試算される。
総事業費は約290億円で、県が建設。連絡デッキや駐車場等は県と市が、上下水道は市が整備する。供用開始後の管理運営は、平成11年11月に設立された新潟万代島総合企画(株)が行う。
日本海側一の高さ、新潟の新しいランドマークに
一方、ホテル・業務施設は、延床面積約52,000平方メートル、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造。地上31階・地下1階、高さは140.5mで、日本海側では最も高い建物となり、新潟の新しいランドマークとして注目を集める。
ホテル部分には客室203室、レストラン、各種宴会場、結婚式場などが設けられ、5階は県立万代島美術館、31階は展望室、6階〜20階部分はオフィスとして使用される。
総事業費は約169億円で、平成11年6月に設立された新潟国際コンベンションホテル(株)と新潟万代島ビルディング(株)が共同建主となって建設。ホテルの運営は(株)jalホテルズが行い、開業後は「ホテル日航新潟」となる。
▲空から見た万代島の全体イメージ
官民一体で事業進行、地震対策も万全
事業実施に当たっては、官民連携・一体となっての進行が図られている。事業着手にあたり、平成8年には県、新潟市、新潟商工会議所、民間事業者等で構成する万代島再開発会議を設置。同会議内に景観・デザイン部会、管理運営部会を置き、学識経験者や専門家、一般市民の意見を計画に反映する場を設けている。
なお、建設地は、新潟地震時に多大な被害を受けた軟弱地盤地区でもあることから、地盤に砂の杭を打ち込むなど地盤改良工事を行い、地震対策も万全。地盤面を標準水面から2.5m高くするなど、津波にも対処する。また、災害時の対応として、リバーフロントパークの芝生広場に緊急用ヘリパットを含む避難緑地なども整備する。
5月1日からオープンイベント
「朱鷺メッセ」開業は平成15年5月1日の予定だが、同日より5日までの5日間、開業にあわせたオープンイベントが開かれる。「ゆめテク新潟‘03-暮らしを拓く『夢の技術』展」をメインに、「シンポジウム・セミナー」「ロボカップジャパンオープン2003新潟」を開催。誰もが楽しく参加できるイベントとなっている。
ただし、ホテルは1日遅れの2日(大安)にオープンする。
▲国際展示場

万代島再開発事業の推進にあたって

新潟県港湾空港局長 武藤 克己 氏

万代島再開発事業の必要性
日本海大交流時代という来るべき新潟の発展・飛躍の時期を迎えるに当たり、新潟の国際的知名度を高め世界に発信していくためには、多くの国内外の人々に利用され賑わいをもたらす交流空間が必要となります。
そこで新潟県では、2003年5月1日のオープンを目指した先導的プロジェクトとして、新潟県の「顔」ともなる国際交流機能を持ったコンベンション複合施設「朱鷺メッセ」の整備を進めています。
朱鷺メッセの概要
朱鷺メッセは、県の施設である国際会議場・展示場と民間の施設であるホテル・業務施設などの関連施設と県立万代島美術館が一体となった日本海側随一のコンベンションコンプレックスであるとともに、豊かなウォーターフロント空間を生かした憩いと賑わいの場として、「水の都新潟」のイメージにふさわしいシンボルゾーンをも目指しております。
また、ホテル・業務施設棟の31階に設置する展望室は、地上125mの高さから360度の大パノラマが楽しめ佐渡まで一望できることから、新潟の新しい都市型観光施設としての活用を見込むとともに、日本海大交流時代に向けた新潟の国際性のシンボル・ランドマークと位置付けております。
コンベンションの推進に向けて
コンベンションは、経済の活性化やイメージアップなど地域振興に大きな波及効果を持つものであることから、現在、朱鷺メッセへのコンベンション誘致を積極的に進めています。
また、朱鷺メッセの開業を広くお披露目するとともに、コンベンションの誘致促進に向け、2003年5月1日から5日までの5日間にわたって「朱鷺メッセ開業記念事業 『朱鷺めき新潟−未来ワールド』」を開催し、先端技術の展示会やロボカップジャパンオープンなどを行うこととしております。
新潟の新しいランドマークとなる朱鷺メッセの完成・開業に向け、現在、官民一体となって事業推進に取り組んでおります。

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