建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年1月号〉

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既存住宅の建て替えにより、地域と一体となった“豊かでやさしいコミュニティ空間”を創造

1期目はすでに入居し、工事は2期目に突入 平成16年8月完成予定

新潟市 公営住宅(新潟地区)藤見町住宅建替事業

新潟県と新潟市は、公営住宅における長年の老朽化を契機として、「藤見町団地」の建て替えを行なっており、現在は2期目の工事に着手しているところである。
藤見町団地は、昭和29年から32年に建設された120戸の県営住宅・市営住宅の混在団地で、県営・市営住宅共、建設後約45年を経たことにより老朽化が著しいことから、平成12年に建替事業に着手、工期を三期に分けて、計166戸に建て替えるものである。

建設地は、新潟市藤見町1丁目。団地の敷地面積は、10,777平方メートル、今回の2期目工事となる県営住宅の建築面積は1,226.35平方メートルで、構造・規模は、鉄筋コンクリート造地上7階一部5階建、延床面積5,484.35平方メートル、最高高さ23.92mとなり、住宅戸数は2DK・30戸、2LDK・12戸、3DK・31戸の計73戸となる。その他、付帯施設として、集会施設、駐車場、屋上庭園などを設ける。
設計は、基本理念を“地域に開放された、周辺住民も利用できるコミュニティ空間の創造”とし、市営住宅を含む一団地を囲み型配置とした上で、集会施設、プロムナード、屋上庭園を中心に緑豊かな中庭空間を創出していくもの。また、長寿命・高耐久性の構造躯体と共用設備(スケルトン)による骨格づくりをはじめ、容易に可変することができる内装・設備(インフィル)とに区分するSI住宅の理念を採用している。

工期を三期に分けて進めている工事の内訳として、一期目は、市営住宅として平成12年9月から工事に着手し、SRC造9階建の63戸で平成14年春に完成、すでに入居者が新しい生活を始めている。今回の二期目は、県営住宅として平成14年10月から工事に着手し、RC造7階一部5階建の73戸で、平成16年8月の完成をめどに建設している。最後となる三期目は、市営住宅としてrc造6階建の30戸を平成17年以降に予定している。
JR新潟駅より東へ約4kmに位置する“建設地”の周辺には、市営住宅団地と戸建住宅群が混在しており、デイサービスセンター藤見、ワークセンターふじみなどの福祉関連施設及び東山の下小学校が近接する良好な住宅市街地である。また、平成14年春には、柳都大橋、みなとトンネルが開通し、西新潟へのアクセスが飛躍的に改善されてきた地域でもある。
建設工事は、これから本格化していくが、これらの理念を現実化するべく完成までにさらなる検討を重ね、より豊かな住宅を供給していく。


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