〈建設グラフ2000年2月号〉

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筑波研究学園都市の施設整備事業

筑波研究学園都市が国策プロジェクトとしてスタートして30数年が経過し、都市が概成してから約20年になる。現在、46の国の試験研究、教育機関と200以上の企業はじめ民間の研究所が集積しており、まさに学術研究の拠点たるわが国のシンクタンク都市となっている。
都市としては、すでに完成しているが、しかし新しい研究課題も発生し、これまでにない研究分野の確立も時代の要請となっている。このため、既存の研究施設だけでなく、新分野研究のための専門施設も必要となり、現在も各地で各機関の試験、研究棟等建設が行われている。
現在、仮称・国立環境研究所環境ホルモン総合研究棟、食品総合研究所食品工学共同実験棟、仮称・工業技術院筑波研究支援総合事務所産学官共同研究棟(筑波OLS)、同仮称・生命・脳科学実験棟、仮称・計量研究所国際計量標準センターの建築が進んでいる。
これらの施設建設とよりよい施設管理を担うのが、建設省官庁営繕部営繕計画課の筑波研究学園都市施設管理センターだ。
こうした膨大な施設の管理は、BICOS-T(筑波研究学園都市施設情報管理システム)によって行われている。このシステムは、各試験研究機関から定期的に報告される施設管理に関するデータを、一括集中管理・分析し、効率的に行うものだ。

【国立研究所】 環境ホルモン総合研究棟(仮称)
環境ホルモン総合研究棟(仮称)は、環境ホルモン研究に係わる中核的な施設として人及び野生生物の生体診断、超微量分析等の化学バイオアッセイ(生物学的検定)研究のための各実験室等を整備することにより、国内外の研究者との共同研究を実施し、環境ホルモンに係る総合的な評価・解析研究を推進する研究・実験施設だ。
所 在 地 つくば市小野川16−2
構造・規模 鉄筋コンクリート造4階建
延べ面積 約5,167m2
建築面積 約1,746m2
【食品総合研究所】 食品工学共同実験棟
食品工学共同実験棟は、我が国の食品の安全性・高品質・生産効率等に関する基礎研究・技術開発のために、産学官の連携により、統一的かつ一体的に研究を進めることができる多目的な研究スペースを確保し、また、異なる研究所の研究者の交流や流動性の確保により、独創的な発想と最先端に属する科学技術等を生み出しうる研究環境の整備を目的とした研究・実験施設だ。
所 在 地 つくば市観音台2−1−2
構造・規模 鉄筋コンクリート造2階建
延べ面積約3,521m2
建築面積約1,798m2
【工業技術院筑波研究支援総合事務所】 産学官共同研究棟(筑波OSL)(仮称)
産学官共同研究棟(筑波osl)(仮称)は、環境、情報、エレクトロニクス、バイオテクノロジー等の新たな社会ニーズに対応し、産学官が連携して研究開発を進める事ができる大型の多目的スペースを確保し、産業界、教育、学術研究等の多様な分野に広く解放する事により工業技術院のこれまでの研究開発成果の産業移転を促進し、新規産業創出に寄与するための、高度なフレキシビリィティーを備えた研究・実験施設だ。
所 在 地 つくば市梅園1−1−4
構造・規模 鉄筋コンクリート造3階建
延べ面積約9,150m2
建築面積約4,471m2
【工業技術院筑波研究支援総合事務所】 生命・脳科学実験棟(仮称)
生命・脳科学実験棟(仮称)は21世紀の生命科学研究分野で、世界的な中心研究課題である脳神経機能の分子・細胞生物学的研究推進のため、中小動物を用いた従来の研究に加え、遺伝子導入マウスを用いた動物の脳神経機能の遺伝子的、電気生理学的、分子生物学的研究及びこれに必要な遺伝子導入マウス等の作製・飼育を行う研究・実験施設だ。
所 在 地 つくば市東1―1
構造・規模 鉄筋コンクリート造3階建
延べ面積約2,976m2
建築面積約1,068m2
【計量研究所】 国際計量標準センター(仮称)
国際計量標準センタ−(仮称)は、我が国の計量標準の国際的役割と国内供給体制との有機的結合を密にするため、産業界、学術界及び行政機関との連携をはかることを目的としている。具体的には、計量標準技術情報の収集、分析とその発信、国際技術援助及び協力の実施、国内計量技術の普及と教習、標準に関連した試験と運営を行う。
また、他の研究部門との密接な連携の基に、計量標準施策の計画、情報活動、標準供給業務の支援、技術移転の支援等を行うと共にアジア・太平洋地域における中核的役割を果たす事を目的としている。
所 在 地 つくば市梅園1-1-4
構造・規模 鉄筋コンクリート造3階建
延べ面積約3,460m2
建築面積約1,183m2

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