建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年6月号〉

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【特集:日本道路公団東京事務所】

さいたま工事事務所の事業概要

首都圏の交通ネットワークを充実・東京外環自動車道

▲三郷JCT付近
さいたま工事事務所は、東京外環自動車道の延伸事業や同自動車道・三郷JCT・大泉JCTの改築、八潮PA(仮称)の新設を中心に、東北縦貫自動車道・浦和ICのフル化事業、関越自動車道・嵐山IC(仮称)の新設の他、埼玉県内の一般有料道路の調査・検討などの業務を所管する。
路線の概要
○東京外環自動車道
三郷JCT〜東京都・干葉県境

東京外環自動車道(東京外かく環状道路)は、首都圏15km圏を環状に囲み、湾岸道路に接続する全長85kmの道路。この道路は、首都圏から地方に伸びる6本の高速道路や一般国道などの放射道路を相互に接続。都心方向に集中する交通を適切に分散、導入するとともに、都心に起終点を持たない交通をバイパスさせる役割を果たし、首都圏における交通混雑の緩和や都市間の円滑な交通ネットワークを充実させる。
このうち、関越自動車道(大泉JCT)から常磐自動車道(三郷JCT)間の約30kmは、昭和61年に施行命令を受け、和光〜三郷間が平成4年11月27日に、和光〜大泉間が平成6年3月30日に開通した。三郷〜三郷南間の約5kmは、常磐自動車道の三郷IC及び一般国道298号などの周辺道路の渋滞緩和を目的に、平成8年12月27日に整備計画決定され、平成10年1月16日に実施計画認可を得て建設に着手。また、三郷南〜東京都・埼玉県境間の約2kmは、平成10年12月25日に整備計画決定され、平成12年1月18日に実施計画認可を得て建設に着手した。
当区間は、併設する一般国道298号の事業が先行しており、平成11年4月までに、埼玉県区間、及び国道6号までを暫定2車線で開通。jhでは橋梁上部工の少主桁化、残土処理も含めた経済的な基礎杭工法など新技術、新工法を積極的に採用し、平成11年3月に下部工工事を発注した。
工事には、暫定2車線で供用中の一般国道298号に囲まれた狭い作業ヤードの中での約50mの基礎杭、下部工工事の施工、また一般国道298号を切回しての上部工の施工となる。このため、綿密な施工計画の立案、関係機関との綿密な協議調整のもと、安全管理に十分配慮した施工が必要となっている。
▲一般国道298号での施工風景
主な工事の概要
○東京外環自動車道・三郷JCT改築
同自動車道は平成4年11月に和光〜三郷間、平成6年3月に大泉〜和光間が開通し、関越道、東北道及び常磐道が接続されたことにより交通量が飛躍的に増大。三郷JCT出口を先頭とする渋滞やランプ部の車線減少が原因の渋滞が恒常的に発生している。本工事は、この渋滞対策として平成11年12月24日に施行命令を受け、翌12年1月18日に実施計画許可を得て事業に着手、平成14年1月に工事を発注した。

○東京外環自動車道・大泉JCT改築
大泉JCTは、放射道路である関越自動車道と、環状道路である東京外環自動車道を連絡するJCTとして、平成6年3月30日に開通した。開通後は交通量が順調に伸び、大泉JCTを原因とした交通集中渋滞が恒常的に発生するようになり、開越道上り線本線、外環道内まわり本線にまで影響が及ぶに至っている。また、環境アセスメントについて、都条例に基づき開通後の追跡調査を実施したところ、一部の時間帯において騒音に関する環境基準が満足できないことが判明した。
本工事は、これらの対処策として平成11年度より東京第二管理局(現・東京管理局東局)、東京第三管理局(現・東京管理局西局)と合同で環境保全対策、渋滞対策を実施するもの。
このうち、さいたま工事事務所では、渋滞対策として東京外環自動車道から関越道に入るdランプの2車線化を行うが、ランプ橋手前土工部の改築工事を平成12年10月に発注し、平成13年12月14日・5時にオープンさせた。また、ランプ橋部2車化の下部工工事を平成13年9月、上部工工事を14年1月に発注した。

○関越自動車道・嵐山IC(仮称)新設
嵐山インターチェンジ(仮称)は、第29回国土開発幹線自動車道建設審議会(平成3年12月3日)により決定された開発インターチェンジ。埼玉県のほぼ中央に位置し、東京都心からおおむね50km以遠の県北地域を対象とする「テクノグリーン構想」と、これに連動した比企広域市町村圏計画による「ハイタウン比企21構想」の長期構想において、重要施策として位置づけられている。
開発者は、埼玉県土地開発公社であり、埼玉県、嵐山町、jhとともに地元交渉を重ね、平成10年11月1日に設計協議を完了。平成11年3月27日に単価発表を行い、平成11年度より用地買収に着手し、平成13年3月に工事を発注した。
また、同嵐山地区の函渠工事は、嵐山IC(仮称)の取付け道路として計画されている、主要地方道熊谷小川秩父線の関越道路との交差区間である。供用中の関越自動車道の路面下〜4.6mを掘進して約46mの函体を設置する工事であり、工事安全管理と一般通行車両の交通安全管理は密接不可分の関係にあることから、jhが埼玉県から受託して施工している。
なお、本工事では、供用中の高速道路車線規制や路面への影響を少なくするため、盛土法面の両側に立坑を構築し、道路直下に防護となるパイプルーフを水平及び鉛直に圧入し、立坑相互で製作したボックスカルバートを相互けん引し設置する「フロンテジャッキング工法」を採用している。
▲嵐山地区管渠工事におけるフロンテジャッキング工法
(パイプルーフ推進工)

◆東京外環状外環自動車道全体計画図

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