建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年5月号〉

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【特集:日本の空港整備】

1,500mの延長化工事に着手 ─奥尻空港─

大型機の就航で奥尻の観光を振興、災害対策の観点からも重要

北海道函館土木現業所(奥尻出張所空港整備室)

奥尻空港は、北海道桧山支庁管内の離島・奥尻島(奥尻町)の青苗地区に位置する第三種空港。同空港は昭和49年、奥尻町により滑走路延長800mで供用を開始。同年、奥尻―札幌、函館間に定期便が季節運行を開始した。翌50年には北海道に移管され、52年からは函館との定期便が通年運行となった。現在は、エアー北海道(株)が19人乗の小型機で函館―奥尻間を1日3往復(冬季は2往復)運行しており、乗降客数は平成10年度で17,000人に及ぶ。空港は奥尻島民の生活基盤を支える交通手段として、重要な役割を果たしている。
しかしながら、現在就航中のDHC-6型機の耐用限度が近づいており、航空会社では、新しい機材を導入し、提供座席数の増加を予定している。

このため、北海道では、滑走路の1,500m延長化工事に着手。新型機の離着陸に対応できるものとし、また、併せて空港ターミナルの整備も行うことにした。
奥尻島は、豊かな自然環境を背景とした観光資源や水産資源が豊富。大型機の就航により、観光客の掘り起こしが見込め、観光産業の発展を通じた地域振興への期待がかかる。
また、大型機による積載賃物の増加により新たな流通経路が開設され、ウニ、アワビなどの特産品をよリ多くの市場へ参入していくことも可能となる。

平成5年の北海道南西沖地震のような災害時には、救援物資や人員の早期大量輸送が必要となるため、大型機の就航が可能な空港整備は災害対策の観点からも重要となる。
工事はT期(平成11年度〜15年度)、U期(平成16年度〜17年度)に分けて行われ、現在は用地造成工事に着手した段階。ターミナルビルを含めた全施設の供用開始は、平成18年3月の予定となっている。


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