〈建設グラフ2000年1月号〉

寄稿 新潟県の出先事務所長  ●事務所リストへ

21世紀の飛躍は上越から上越土木管内の現状と将来像

新潟県上越土木事務所長 水島義継 氏

水島義継 みずしま・よしつぐ
昭和40年4月入庁
平成 7年4月新潟下水道建設事務所長
平成 8年4月新発田土木事務所長
平成 9年4月土木部下水道課長
平成10年4月現職

上越地域は、豊かな自然と長い歴史と文化にはぐくまれたロマン漂う地域であります。
また、本地域は新潟、富山のほぼ中間に位置し、経済的には長野県との結び付きが強いことから、北信越地域の交流拠点としての機能をはたしてきました。
上越地域は、日本海側の中心に位置し、対岸諸国との人的交流並びに物流の広域交流拠点として、対岸ゲートウェイヘの拠点及び国内の関東、中京、関西圏との結節点としての位置にあります。
高速交通網の整備により、これらと直結する重要港湾「直江津港」の機能を背景に、来るべき日本海新時代の交流拠点としての役割はますます高まると思われます。
管内の交通網は、北陸自動車道、上信越自動車道、国道8号、国道18号を主軸に、これを補完する補助国道、主要地方道、一般県道で形成される道路網、直江津駅を中心とし、従来の北陸本線、信越本線、ほくほく線、さらに長野まで開通し、昨年5月28日新潟県側最初の安全祈願祭が行われた北陸新幹線を含めた鉄道網の整備が着実に進んでおります。

海上では、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ロシアに加え、韓国、中国及び東南アジア地域との経済交流が活発化しつつあり、国際貿易港として、また、国内定期航路も盛んに行われています。 昨年の10月30日には、上信越自動車道が全線開通し、ますます拠点性が高まりました。

また、上越と六日町を結ぶ地域高規格道路「上越魚沼地域振興快速道路」については、上越市の国道18号寺icから三和村の三和icまでの7qは、直轄事業として整備することになりました。
今年度中に都市計画決定を行い、早期事業着手できるように要望してまいります。
国道18号上新バイパスと高田駅を結ぶ都市計画道路本町鴨島線の関川に架かる「中央橋」は、さる12月14日に開通いたしました。
平成7年7月11日水害による関川災害復旧助成事業については、別所川合流点から長野県信濃町(妙高高原町杉野沢)の高沢発電所までの36.3qを事業区間(内新潟県施工28.9q、長野県施工7.4q)とし、早期復旧、地域の復興への配慮、水系一貫した災害対策、上下流のバランスのとれた改良復旧、豊かな自然環境への配慮等を基本方針として、流路の是正と河積の拡大、河岸の強化を図ることを目的として、事業を進め今年度で事業の完了を図ります。
保倉川、戸野目川の激特事業は、洪水で激甚な水害が発生した地域について、河川の改良事業を緊急に実施することにより、再度災害の防止を図る事を目的とした事業であり、今年度主に保倉川遊水池整備を中心に事業を促進し、事業完了を目指します。
大潟公園は、日本海海岸の砂丘背後地に発達した「潟」を中心とした自然的及び歴史的資源を活用し、人間の社会教育、レクリエーションの場として整備を行っています。

なお、上越市を中心とした上越地域市町村圏には「12の個性が奏でるシンフォニー/のびやかな産業、文化、生活/快適田園拠点都市地域の形勢」を基本理念とした上越地方拠点都市地域整備基本計画があります。
高次の都市機能を集積するための拠点区域整備並びに拠点都市地域の広域的な社会資本整備の二本立てで拠点都市の地域形勢を図ることしています。


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