〈建設グラフ2000年3月号〉

寄稿 新潟県の出先事務所長  ●事務所リストへ

愛される社会資本の整備と、豊かさを目指して

新潟県小千谷土木事務所長 関澤長治 氏

関澤長治 せきざわ・ちょうじ
昭和17年2月23日生まれ、上越市出身、日本大学理工学部土木工学科卒業
昭和 39年 新潟県人庁
59年 都市計画課市街地開発係長
60年 道路建設課橋梁係長
62年 小千谷土木事務所工務第一課長
平成 元年 下水道課課長補佐
3年 企画検査課土木工事検査監
4年 新津土木事務所次長
6年 巻土木事務所長
8年 農林水産部参事(漁港課長)
10年 現職

管内は、県のほぼ中央部に位置し小千谷市、川口町、堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村の1市3町4村で構成され、面積は、1152q2、人口約9万5千人になっている。
地勢は、信濃川・魚野川沿いに平坦地があるのみで大部分が山地となっている。中山間地域特有の融雪、梅雨時の大雨による被害も多く、土石流災害等から人命を守るため積極的な治山・治水対策が望まれている。また全国でも有数の豪雪地帯のため、特に地域住民の生活と産業振興に大きな影響をおよぼす冬期間の交通確保が急務となっている。
道路事業では、小千谷市中心部を走る国道117号、351号の慢性的な交通渋滞の緩和を図るため、国道117号では、西小千谷バイパスを、351号では旭町バイパスの第二小千谷大橋(仮称)の架設工事を進めている。
また国道291号は、小千谷市と小国町柏崎市を結ぶ重要路線であるが、小国町との境界にある桜町トンネルは、幅員が狭い上、前後道路の線形および勾配が急峻なため、平成4年度から新桜町トンネルに着手し14年度完成を目指している。また主要地方道小千谷川口大和線は、関越自動車道と国道17号を結ぶ幹線道路となっている。しかし魚野川に架かる川口橋は、昭和29年に架設されたが、幅員が狭小で、老朽化が著しく近年の交通量に耐えられなくなってきた。このため国道17号との交差点での渋滞解消を含め、平成10年度から川口町の開発事業と連携を図りながら、町民参加のもと一体となって川口橋の架け換え事業を急ピッチで進めている。
公園事業では、自然豊かな奥只見地域を21世紀に相応しいレクリエーション地域として開発・整備するため「奥只見レクリエーション都市公園」整備事業を当所の一大プロジェクトとして進めている。これにより関越自動車道を利用した、首都圏等からの観光客の多様なニーズに応えるべく、現在5地域で事業を実施している。
治水事業では、広神村和田川の広神ダム建設に伴う国道352号の付け替え工事も昨年度完了し、本体着工に向けて作業を進めている。湯之谷村大湯地先では、揚水発電所建設を計画している電源開発と共同開発で、佐梨川総合開発事業を進めている。
下水道事業では、堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村の4町村で構成されている魚野川流域下水道事業堀之内処理区は、昨年度末での普及率は、64%余りとなっている。また小千谷市と川口町が含まれる信濃川流域下水道長岡処理区では、昨年度末の普及率、50%余りとなっている。今後流入量、処理量の増大に合わせ処理施設、ポンプ場の増設、改良を検討している。今後も厳しい財政事情の中、「愛される社会資本の整備と豊かさ」を目指して、市町村と連携して事業を進めていきたい。


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