〈建設グラフ2000年3月号〉

寄稿 新潟県の出先事務所長  ●事務所リストへ

地域間交流の促進を目指して

新潟県巻土木事務所長 金藤信義 氏

金藤信義 きんとう・のぶよし
昭和19年8月生まれ
昭和43年新潟県入庁
平成10年巻土木事務所次長
平成11年現職

管内の交通体系は、鉄道では上越新幹線と越後線が縦貫し、これを弥彦線が連絡している。道路では、北陸自動車道・国道116号・国道402号が縦貫し、これに国道289号・国道460号などが横断的にアクセスしている。
河川は、信濃川の支川である一級河川中ノ口川と西川、そして二級河川新川がほぼ南北に縦貫している。
当地域は歴史的に多くの水害に悩まされてきたが、大正11年に信濃川大河津分水が通水したことにより水害は激減し住民の安全と生活の安定に寄与している。
道路事業については、県内では有数の観光地をかかえているにもかかわらず、観光地へのアクセス道路の整備は十分とはいえず、なかでも国道460号は北陸自動車道巻潟東インターから海岸へ抜ける唯一の国道であるため、その整備が急がれている。このため、平成6年度に角田山麓を貫通する五福トンネルを供用させ、今年度もバイパス区間の一部を9月に供用しました。
国道289号については吉田町から燕市まで平成7年度にバイパスで約3q供用し、燕市の市街地を迂回するバイパスについては今年度に用地買収に着手する予定となっている。
その他、信濃川に架かり老朽化の著しい本川橋を平成12年度に供用すべく、工事を急ピッチで進めている。また、国道289号を補完する主要地方道燕分水線の中ノ口川を横断する県央大橋(仮称)の新設工事は今年度下部工を完了し、上部工を製作する予定となっている。
河川事業については、中ノ口川は堤防幅が狭く法面勾配が急であるため俗に「カミソリ堤」といわれており、天井川で漏水箇所もあるため下流部では堤防の改築、中流部では漏水対策工事を緊急度の高いところから整備している。
また、西川の支川である矢川は日本海へ直接放流する放水路トンネル(4,080m)を新設し、治水安全度の向上をめざして事業を推進している。
一方、北陸農政局では新川の支川である大通川の放水路工事を実施中であり、合せて完成すると当地域の治水対策は大きく前進することとなる。さらに新川は矢板護岸の老朽化が著しく、矢板の傾斜・転倒や堤防の吸出し、また漏水箇所もあるため平成10年度から改築工事に着手した。
漁港事業については、間瀬漁港で漁港修築事業により漁港施設の整備を進めるとともに、漁港環境整備事業により用地造成を行っており、漁港環境の向上のため緑化などを進めていく予定である。


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