〈建設グラフ2000年3月号〉

寄稿 新潟県の出先事務所長  ●事務所リストへ

SL貴婦人、阿賀野路を快走

新潟県津川土木事務所長 渡部正敏 氏

渡部正敏 わたべ・まさとし
昭和20年生まれ
昭和43年新潟県入庁
三面川開発事務所工事課長
河川課課長補佐
与板土木事務所次長
新潟土木事務所次長
平成11年4月現職

当事務所は、県の東部に位置する東蒲原郡の津川町、鹿瀬町、上川村、三川村の2町2村を所管しております。
管内は東西に貫流する阿賀野川とその支川流域に1万6,000人余の人々が生活を営んでいる中山間地域であります。東蒲原は「磐梯・朝日国立公園」「阿賀野川ライン県立自然公園」などの豊かな自然を背景に温泉や阿賀野川ライン下り、スキー、登山を楽しむことのできる新潟の奥座敷として親しまれています。
最近の話題として、JR磐越西線(新潟県新津駅と福島県会津若松駅間)に30年ぶりに「sl貴婦人c-57」が森とロマンの「sl-ばんえつ物語号」として復活しました。この復活は沿線自治体や観光協会などから「観光客誘致の起爆剤」として熱い期待が寄せられており、平成9年10月の磐越自動車道全通と相侯って今後一層の「町・村おこし」につながるものと期待しています。
過疎化の進む当地域では「活力ある、安全で安心な地域を築くため」今後とも社会基盤整備を着実に推進していかなければなりません。
現在整備中の国県道の改良・河川改修・砂防・急傾斜地対策などの諸事業、懸案である常浪川ダム建設、磐越自動車道三川icと主要地方道新発田津川線とのアクセス整備、東蒲原郡と五泉市を中心とする五泉広域圏のより一体化を図るための主要地方道新潟村松三川線の整備など整備を必要とする箇所が多くあり、相当規模の予算と時間を要しますが着実に推進していきたいと考えております。
また、「ふるさと新潟の顔づくり」や「川を主体とした地域づくり」などの地域づくりにも積極的な支援を行っていきたいと考えております。
具体的には、近年全国的に知られるようになった津川町の「狐の嫁入り行列」に代表される「きつねの里の町づくり」の支援として遊歩道整備や船着き場整備、行列が練り歩く県道のデザインアップなどに取り組んでいます。
このほか、管内4ヶ町村連携で地域活性化を図る新たなイベントづくりも積極的に関わろうと「阿賀野川カヌー下り」を企画し、30艇を超すカヌーで阿賀野川下りを行い好評を得ました。
今後ともこのような東蒲原の豊かな自然を生かした地域づくりを基本に『sl貴婦人が阿賀野路を快走』できる社会基盤整備を進めて行きたいと考えております。


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