〈建設グラフ2000年1月号〉

寄稿 新潟県の出先事務所長  ●事務所リストへ

大規模バイパスの整備について

新潟県新津土木事務所長 沖野光一 氏

沖野光一おきの・こういち
昭和41年 新潟大学農学部林学科(砂防)卒業
昭和41年 糸魚川土木事務所技師
昭和44年 土木部河川課技師
昭和61年 土木部港湾課副参事・建設防災係長
平成 3年 小千谷土木事務所道路課長
平成 5年 巻土木事務所参事(次長)
平成 9年 小千谷土木事務所小出分所長
平成10年 現職

所管区域は、本県の北寄り中央部に位置し、信濃川、阿賀野川の大河川と両河川を結ぶ小阿賀野川以南、東蒲原郡および南蒲原郡界に至る新津市、五泉市、村松町、小須戸町の二市二町で構成されており、面積447q2、人口約13万9千人であります。
本地域は、県都新潟市の近郊都市という地理的条件に恵まれており、地域の歴史と自然を生かし、周辺地域と調和のとれた施設の整備が必要とされるところです。
交通体系としましては、「鉄道のまち」として発展した新津市を中心に、jr信越本線、羽越本線、盤越西線が管内を走っています。道路は、国道290号、460号が東西に、403号が南北に走り、盤越自動車道が平成9年10月に全線開通して地域の発展に一層の弾みがついたところです。
主要事業としまして道路関係では、新津市街の中心部を通過する国道460号の渋滞解消を図るため、昭和52年より道路改築事業(新津東バイパス)により整備を進め、平成6年に一部供用開始、昭和63年より街路事業(立体)を投入して鋭意工事を進めてきました。今年度中にjr高架橋が完成することにより市道まで一部供用開始し、平成12年度全線供用開始に向け急ピッチに工事を進めています。また、国道403号の「田上小須戸バイパス」事業について今年度から用地買収に着手したところです。
治水関係では、信濃川水系、阿賀野川水系の36河川を擁し、特に能代川は、管内三市町を貫流し蛇行が著しいため古来より幾多の、氾濫を繰り返した河川です。昭和41、2年に連続して大被害を蒙ったことから、抜本的な改修計画を樹立して工事を進め、昭和58年に捷水路の暫定通水を行い、現在、その上流部から荻曽根川合流点までの区間について事業促進中であります。
早出川ダム(昭和54年度竣工)では、落葉が原因と考えられる水質悪化を改善するため、全国でも初の対策工事を平成10年度より実施中です。
平成10年12月にオープンした“緑の夢王国”『新潟県立植物園』は、毎日の暮らしに楽しさと華やかさ、潤いと安らぎをもたらす花と緑による多彩な演出がいっぱいの「花と緑の劇場」を提供しています。さらに将来は、県が提唱する「緑の百年物語」の推進役として、また花と緑の情報発信基地として期待が寄せられています。
今後は、より一層新たな視点で社会基盤整備の促進と、地域のニーズに対応したきめ細かい事業の執行に努めてまいりたい。


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