建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年11月号〉

寄稿

安全、うるおい、活力、ふれあいの河川整備事業を推進

国土交通省北海道開発局 石狩川開発建設部 滝川河川事務所長 脇坂 壽男

事務所管内の概要
滝川河川事務所は、石狩川開発建設部が所管する1級河川石狩川水系のうち空知支庁(5市4町)の直轄河川整備事業を担当しています。管理河川は、石狩川本流をはじめ空知川、徳富川等12支川、河川管理延長は130.9kmに及びます。また、管内には石狩川唯一の遊水地(砂川遊水地:洪水調節容量v=10,500千立方メートル)が既に完成し治水安全度の向上が図られています。
管内滝川市は、石狩川と空知川の合流点に位置し、古くから人と物資の中継地点として発展を遂げてきました。現在においても国道12号と38号、函館本線と根室本線が交わり、道北、道東への交通の拠点都市としての役割を担っています。
また、管内流域は、北海道を代表する穀倉地帯として発展を遂げています。
永年にわたる河川工事により今日、連続堤防となっていますが未だ一部暫定断面の区域が存在し、完成堤防の確保に向けた河川整備が急がれています。
河川整備の今後の展開
平成9年河川法の改正により河川環境の整備と保全、地域の意見を反映した河川計画制度の導入が新規に規定されました。いわゆる住民と連携した整備計画に基づき事業を推進することとなります。これらの背景を踏まえ、石狩川の河川整備の基本方針として次の項目により取り組みます。
(1)安全で安心できる流域の形成(安全)
(2)自然環境と調和した生きている河川づくり(うるおい)
(3)個性ある地域づくりと連携強化の支援(活力)
(4)人と水の関わりの再構築(ふれあい)
平成13年度工事概要
石狩川本流では、築堤工事として黄臼内丘陵堤工事、河川情報関連として砂川遊水地・池の前排水機場〜河川事務所間の光ファイバー埋設工事、奈井江築堤において低水護岸工事、支川では徳富川において低水護岸工事、14号川において樋門改築工事を実施する。また新十津川町徳富川において直轄版「ふるさとの川整備事業」を地元自治体と連携し、環境・景観・親水等に配慮した川づくりの平成14年度の完成を目指します。
また、災害復旧工事として空知川赤平橋上流地先低水護岸工事を実施する。
おわりに
近年、河川に対する要望や世論も大きく変化しており、それが、平成9年の河川法改正の契機となりました。これからの河川事業は、河川のもつ多様で貴重な自然環境に配慮した川づくりが求められます。地域住民の方々と意見・情報などを交換し地域づくりと一体となった整備が必要です。また、計画を上回る洪水に対する危機管理体制の確保にも取り組んでいかなければなりません。
安全・うるおい・活力・ふれあいの方針に基づき今後の河川整備事業に取り組んでいきます。

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