建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年12月号〉

寄稿

「良寛の里づくり」をめざして

新潟県 与板土木事務所長 植木 昭一

植木昭一 うえき・しょういち
昭和22年生まれ
昭和45年新潟県人庁
企業局工業団地開発課課長補佐
港湾課課長補佐
振興課企画主幹
平成12年4月現職

当管内は、県のほぼ中央の海岸部に位置し、管内の北側には信濃川大河津分水路、東側には信濃川、西側には日本海があり、三島町、与板町、和島村、出雲崎町及び,寺泊町の五町村を管轄区域としており、良寛ゆかりの地として多くの史跡や資料舘等を有し、歴史と文化のかおりのする地域です。
道路は、国道116号、402号、403号が南北に走り、それを東西に結ぶ形で国道352号、県道の長岡和島線、長岡寺泊線等が走っています。長岡地方拠点都市地域の広域交流幹線道路に位置付けられている国道352号の中永バイパスは、約1.9kmのトンネルを含む約3.8qの道路改良で、平成元年に事業に着手し今年10月10日に供用を開始したところです。
この開通により冬季間の雪崩や路面凍結等の峠の交通の難所が解消され、そして広域的な観光ネットワークの形成が促進され、地域の活性化に大きく寄与するものと期待されています。
一昨年に「交流ふれあいトンネル事業」で完成した県道長岡和島線の阿弥陀瀬バイパスと合わせ、ようやくこの地域の東西方向の大きな難所が2箇所解消されましたので、今後は残っている国道116号や海岸部へのアクセス道路等の改良に、重点的に取り組みたいと考えています。
河川については、信濃川に沿って三島町、与板町を流下し信濃川に合流する黒川と、国道116号に沿って出雲崎町、和島村、寺泊町を流下し直接日本海に注ぐ島崎川、郷本川、新島崎川に大別されます。黒川では、三島町内において治水上ネックの国道352号と町道の橋梁の架け替えや築堤のための用地取得、家屋移転を、上流の土地区画整理事業とスケジュールを合わせながら鋭意進めているところです。郷本川は、河積拡大のための掘削を実施中ですが、上流部の集落が湛水被害の常襲地域であることから早期に事業効果が発揮出来るように努めております。この他、海岸部丘陵の急崖、西山丘陵裾の急傾斜崩壊対策等も重要な災害対策として取り組んでいます。
地方港湾の寺泊港は、新潟港、直江津港に次ぐ佐渡への第三の港として親しまれており、来年度完成を目指して、現在「海と陸のオアシス広場」を整備中であり、また、県営第二種漁港の出雲崎漁港は、今年度から航路・泊地浚渫や沖防波堤改良に着手しております。
当事務所では今年春に、「良寛の里づくり」と題する地域の将来像をまとめたところであり、今後は、これらを目標に、着実にその整備に努めていきたいと考えております。


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