建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年12月号〉

寄稿

より豊かなまちづくりへ

新潟県 新潟土木事務所長 櫻井 誠一

櫻井 誠一 さくらい・せいいち
昭和41年新潟県入庁
道路建設課課長補佐
長岡事務所次長
村上土木事務所所長
港湾課長
道路維持課長
平成13年4月現職

当事務所は、県都新潟市をはじめとした3市2町を擁し、県内最高の人口集積をなす圏域を所管区域としている。また、今年8月には管内の新潟市、亀田町、横越町の3市町が任意の合併協議会を設置して将来的な政令都市化に強い意欲を見せている。
地勢は、日本海に面した海岸砂丘を分水嶺として内陸側に湖沼が残存する平坦な地形を呈しており、日本屈指の大河川である信濃川と阿賀野川が南北に貫流している。
管内には、特定重要港湾の新潟港や国際空港の新潟空港があるほか、上越新幹線、高速自動車国道の北陸自動車道、磐越自動車道が供用されている。
さらには、平成14年度には日本海沿岸東北自動車道が新潟空港i・c〜中条i・cの間で供用が予定されており、ますます高速交通体系が確立されることから首都圏および日本海沿岸諸国との交通の拠点性が高まって来ている。
道路関係では、主要幹線道路が新潟市の中心市街地に集中していることから慢性的な交通混雑を引き起こしており、流入する交通の分散と円滑な交通の確保を目指した事業が実施または計画されているほか、新潟港や新潟空港などの物流拠点にアクセスする道路網について一体的・効率的な整備を進めることにより、港湾、空港の機能強化を図るなど環日本海交流圏の拠点形成を目指すこととしている。
また、高齢者・障害者が安全かつ快適に生活できるよう、公共性の高い施設が所在する地域や歩行者数の多い地域について、歩道のバリアフリー化を進め歩行者空間の確保を図ることとしている。
事業としては、新潟東港から巻町角田浜に至る総延長約45kmの半環状道路である(主)新潟大外環状線を交通量の集中と分散、土地利用の熱度などを考慮し、より事業効果の高い箇所から事業化している。また、新潟空港と北陸自動車道の新潟空港i・cを直接結ぶ新潟空港アクセス道路の整備を進めているほか、新潟西港と一般国道49号との有機的な結合を図るため(主)新潟港横越線の整備を進めている。
河川関係では、信濃川、阿賀野川、およびその支川に囲まれた低平地と地盤沈下の影響によるいわゆるゼロメートル地帯のため、内水排除を主体とした事業を進めていたところである。
しかし、平成10年8月の異常降雨の災害対策として、通船川、鳥屋野潟、福島潟の各河川において、河川激甚災害対策特別緊急事業および河川災害復旧等関連緊急事業を導入し、通船川では山ノ下閘門排水機場隣接地に新ポンプ場の建設および河道ネック部の改修を行い、鳥屋野潟では親松排水機場に隣接して新排水機場、樋門(直轄施工)を建設するほか、導水路等の整備を行うことにより両河川における排水能力の増強を図っていく。また、福島潟放水路については、堰、水門、橋梁等構造物を施工するとともに河道の開削を実施し、事業期間内の完成を目指している。
さらに、平成12年7月に新津市、五泉市地域をおそった豪雨により、能代川、小阿賀野川に河川災害復旧等関連緊急事業が導入され、堤防の嵩上げを行つて流下能力の向上が図られることとなった。
海岸関係では、新潟海岸において大規模な砂丘を復元するため、ヘッドランドの建設およびサンドバイパスを実施しており、本年度末には二号ヘッドランドの縦堤を完成させることとしている。
当事務所は、今後とも環日本海交流圏の拠点づくりを目指すとともに、安全で活力に満ちたより豊かなまちづくりを図っていきたい。

▲主要地方道 新潟村松三川線 地方道改築事業 ▲通船川 激甚災害対策特別緊急事業(一般) ▲金衛町海岸 海岸浸食対策事業

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