建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年11月号〉

寄稿

下水道整備の新世紀を象徴する大規模スラッジセンターを整備

日本下水道事業団大阪支社 大阪工事事務所長 島村 勝男

島村 勝男 しまむら・かつお
昭和37年3月 高知県立高知農業高校卒業
昭和37年4月 大阪市土木局下水道部奉職
以後下水道一筋、処理場、ポンプ場の設計・監督、下水管渠工事監督・維持管理業務を歴任
昭和62年4月 下水道局南下水道事務所 主査
平成 8年4月 処理場課 課長代理
平成11年4月 下水道局管理部 参事
平成11年4月 日本下水道事業団大阪支社大阪工事事務所長
大阪工事事務所は大阪市より受託した、「舞洲スラッジセンター」の建設工事の監理を行っています。
大阪市では下水の処理過程で発生する汚泥は、全量焼却をし埋立て処分を行っていますが、焼却炉老朽化のための改築が急務なことと、高度処理などの実施による汚泥量の増加に対応するため、大阪市全体で12下水処理場の内、市内臨海部8下水処理場の汚泥をパイプ輸送により集中し、脱水・溶融処理を効率的に行うとともに、汚泥のリサイクル利用をはかることを目的として舞洲スラッジセンターを建設しています。
汚泥溶融設備の全体規模は900t/日で、完成すると我が国で最大級のものとなります。
スラッジセンターを築造する、舞洲スポーツアイランドは大阪港に位置した人工島であり、市制100周年事業のひとつとして、国際級のスポーツイベントに利用出来る、アリーナ(多目的体育館)や各種の施設が、自然と人間の共生と調和を目指して、雄大な緑の森や草原のほか、ウォーターフロントの立地を生かしたシーサイドープロムナード、生物の生息環境を大切にした舞洲緑道(磯)等があります。
舞洲スラッジセンターは、環境保全上の見地から、設備機器は建物内に収納し、ばいじん・臭気・窒素酸化物・硫黄酸化物等、公害防止機器の充実をはかっています。
施設の概要
建設地 大阪市此花区北港白津2丁目1-1
敷地面積 33,900平方メートル
施設規模 地上6階/地下1階(鉄骨鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造)
○建築面積 17,200平方メートル
○延床面積 38,500平方メートル
主要設備
○汚泥溶融設備 900t/日(150t/日×6基)
○汚泥脱水設備 360立方メートル/時(60立方メートル/時×6台)
○排ガス処理対策
 ・集塵装置(ばいじん対策)
 ・脱硫装置(硫黄酸化物対策)
 ・脱臭・脱硝装置(臭気・窒素酸化物対策)
煙突 高さ120m/直径14m
工事工期 平成11年9月〜平成16年3月下旬。(大阪市よりの受託施設一期部分)

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