建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年11月号〉

寄稿

石狩川・千歳川の合流点に河川防災ステーションを整備

国土交通省北海道開発局 石狩川開発建設部 江別河川事務所長 紅葉 克也 氏

江別河川事務所概要
江別河川事務所は、石狩川の下流部及び夕張川、千歳川、篠津川、幌向川、情真布川に管理区域を持ち、江別市、南幌町、長沼町、栗山町、栗沢町、由仁町、そして、新篠津村、北村、岩見沢市の9つの市町村にまたがる流域の治水安全度の向上、河川を取りまく良好な環境の保全、流域連携・地域の活性化を目指しています。
本地域の治水工事は、大正年代に設置された渋川工場、対雁工場などの治水工場による河道掘削工事に始まります。北海道みんぞく文化研究会の藤倉徹夫氏による「えべつ曼陀羅〜人と川と森と〜『治水工場の鐘が鳴る(上)』」(広報えべつ97/11)の中で、「治水工事の事務所、職員宿舎、雇人宿舎、人夫収容所、倉庫などの建物が立ち並び、いわば一集落が忽然と出現したのである。」とあります。工場と呼ばれていたのは、治水という一つの目的を強力に推進するために、敷地内にすべてを備えていたからでしょうか。これらの治水工場によって、対雁の捷水路(ショートカット)、夕張川の新水路など大がかりな工事が行われました。しかし、付近一帯には泥炭や軟弱粘土が厚く堆積しており、かなりの難工事でありました。その後、現在までにパイルネット工法などの新工法の採用や工法の改良が積極的に行われてきました。
石狩川の洪水被害を防ぐ
石狩川では、明治31年、37年、昭和36年、37年、50年、56年と大きな洪水があり、破堤等による多大な被害がありました。再度災害を防止し、さらに大きな洪水に対しても安全であるように浚渫・掘削による河道流下能力の増強、堤防の嵩上げ及び強化を実施しています。特に、石狩川本川及び支川の新水路区間においては、堤防の斜面を緩やかにして断面を広げ、堤防の強化と安定化を図り、あわせて親水性も向上させる丘陵堤を実施しています。
また、石狩川と千歳川の合流点において、江別市と協力して河川防災ステーションを整備しています。平成14年度完成の予定であり、水防活動の拠点や各種情報提供の場として、また、流域交流の拠点として大きな期待が寄せられています。
▲河川防災防災ステーション完成予想図

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