〈建設グラフ1998年11月号〉

寄稿

北海道の下水道

北海道建設部公園下水道課長 石川彰造 氏

石川彰造 いしかわ・しょうぞう
昭和20年1月4日生まれ、今金町出身、今金高、東海大土木工学科卒
昭和42年4月入庁
昭和55年留萌土木現業所道路建設課主査
昭和58年同課道路係長
昭和60年住宅都市部下水道課下水道第二係長
昭和62年釧路土木現業所弟子屈出張所長
平成元年室蘭土木現業所洞爺出張所長
平成 4年旭川土木現業所企画調整室長
平成 6年釧路土木現業所長事業部長
平成 8年土木部参事(建設技術センター派遣)
平成 9年現職
1.北海道の下水道の現状
道内の下水道は、大正15年札幌市が人口の増加に伴い、環境の悪化が進行してきたことから、下水道築造5ヵ年計画を策定し着手したのが最初です。その後、戦争で中断しましたが、昭和23年に函館市が、25年には岩見沢市、26年には札幌市が再開するなど、次々と道内主要都市が下水道事業に着手していき、中小市町村に拡大し、下水道施設の整備が進められてきています。
その結果、平成9年度末で、人口に対する下水道普及率は77.7%となり、全国で第3位の普及率となっています。
現在、全道212市町村のうち、166市町村が下水道事業を実施しており、その内、117市町村が供用開始をしています。
2.下水道の目的と事業種別
下水道は市街地の汚水・雨水を排除、処理し、水質の悪化による生活環境を保全するため、下水道施設を整備しています。
下水道事業の種類は、都市計画市街地内で行なっている「公共下水道」、その他の地域の「特定環境保全公共下水道」、雨水排水だけを目的とする「都市下水路」、下水の効率的処理を目的に複数都市の下水道流末を接続し、処理場の建設を行う「流域下水道」などの種別で、事業が実施されています。この他、財政・技術支援の面から「過疎下水道代行事業」「はまなす下水道」などの名称も使われています。
これらの事業は、市町村が主体的に実施していますが、「流域下水道」や「代行下水道」は道が事業主体となって行われています。
また、技術者のいない市町村の処理場建設には下水道事業団に委託し建設をすすめています。
3.平成10年度の下水道事業
10年度の開発予算では、補正を含めますと、1,525億円の事業費になっています。
工種別にみると、公共下水道は93市町で966億円、特定環境保全下水道で73町村・488億円、都市下水路は1箇所、流域下水道は3箇所の60億円、となっています。その内、代行下水道は31町村で行っています。
4.これからの下水道事業
下水道は快適な生活環境を確保するための不可欠な施設ですので、全道民が下水道を含む、生活排水施設のある生活が目標です。
このことから、中小町村の下水道普及拡大が、これからの重点目標となります。併せて、生活環境の保全から、河川・湖沼の水質悪化の防止、観光地の水洗トイレ化、都市内の降雨による洪水対策としての排水施設の整備、大雪に対する流雪溝・消雪施設の整備、下水処理水を利用した良好な水辺環境の創出、し尿事業や通信など、他事業との協力、事業の推進などを押し進め、真に豊かさを感じられる生活環境を形成するため、下水道施設においても計画的に整備するよう努力していきたいと考えています。

【平成9年度下水道普及率番付表】北海道建設部公園下水道課

理事長 公、特 札幌市 99.0%
副理事長 公、特 千歳市 97.0%
副理事長 公共 苫小牧市 96.5%
西
横綱 公共 江別市 95.9% 横綱 公、特 北見市 95.1%
張出横綱 流、公、特 帯広市 94.7% 張出横綱 公共 小樽市 94.7%
大関 公共 北広島市 94.6% 大関 公共 網走市 93.3%
張出大関 公共 恵庭市 93.2% 張大 公共 釧路市 92.7%
張出大関 流、特 滝川市 90.9% 関脇 流関 砂川市 88.6%
関脇 公共 虻田町 88.6% 張関 公共 名寄市 85.5%
張出関脇 公共 旭川市 86.1% 小結 公、特 美幌町 83.0%
小結 公共 石狩市 83.8% 張小 公共 紋別市 81.3%
張出小結 公共 岩見沢市 82.4% 前頭 流、特 奈井江町 81.0%
前頭 公共 室蘭市 81.0%  二 京極町 80.0%
 二 流、公 幕別町 80.8%  三 流、公 函館市 79.8%
 三 特環 浜頓別町 80.0%  四 公共 広尾町 77.9%
 四 流、公 音更町 78.1%  五 公共 新得町 77.3%
 五 公、特 稚内市 77.9%  六 特環 歌登町 73.0%
 六 公共 士別市 75.6%  七 公共 枝幸町 72.3%
 七 流関 歌志内市 72.5%  八 公、特 中標津町 70.6%
 八 公共 留辺蘂町 72.1%  九 特環 津別町 69.0%
 九 流関 芽室町 70.4%  十 公共 池田町 68.1%
 十 公共 南幌町 68.4% 十一 公、特 白老町 67.3%
十一 公、特 倶知安町 67.5% 十二 公、特 興部町 65.9%
十二 公共 深川市 66.0% 十三 特環 沼田町 65.4%
十三 公共 伊達市 65.7% 十四 特環 東藻琴村 65.3%
十四 公共 根室市 65.4% 十五 流関 赤平市 65.1%
十両一 公共 東神楽町 64.6% 十両一 公、特 斜里町 64.2%
 二 流関 芦別市 63.7%  二 公共 栗山町 63.3%
 三 公共 美深町 61.5%  三 公共 長万部町 61.2%
 四 公共 釧路町 60.9%  四 特環 和寒町 60.8%
 五 特環 日高町 60.2%  五 特環 女満別町 60.1%
 六 特環 豊浦町 59.7%  六 公共 遠軽町 56.9%
 七 公共 浦幌町 56.0%  七 公共 上富良野町 56.0%
 八 公共 静内町 55.7%  八 公共 余市町 54.6%
 九 公共 本別町 54.2%  九 公共 三笠市 53.9%
 十 特環 比布町 53.9%  十 公共 清水町 53.8%
十一 特環 洞爺村 53.2% 十一 特環 愛別町 52.9%
十二 特環 門別町 52.7% 十二 特環 標津町 52.3%
十三 流関 上磯町 51.8% 十三 公共 美瑛町 51.6%
十四 流関 七飯町 51.0% 十四 公共 留萌市 50.5%
幕下一 公共 鷹栖町 49.8% 幕下一 流関 美唄市 49.1%
 二 公共 標茶町 48.9%  二 公共 当別町 48.9%
 三 公共 富良野市 48.1%  三 特環 士幌町 48.1%
 四 公、特 長沼町 47.9%  四 特環 当麻町 47.6%
 五 特環 端野町 46.6%  五 公共 下川町 46.5%
 六 特環 置戸町 45.7%  六 特環 占冠村 44.5%
 七 特環 黒松内町 44.2%  七 特環 中札内村 43.6%
 八 公共 登別市 43.3%  八 公共 栗沢町 39.5%
 九 公、特 上川町 39.1%  九 特環 大滝村 39.0%
 十 特環 別海町 38.8%  十 特環 阿寒町 38.0%
十一 公共 浦河町 36.7% 十一 特環 風連町 35.4%
十二 特環 豊頃町 31.8% 十二 公共 雄武町 31.7%
十三 流、特 大野町 30.7% 三段目一 特環 剣淵町 26.3%
三段目一 流関 新十津川町 29.1%  二 特環 陸別町 23.8%
 二 特環 佐呂間町 25.5%  三 公共 夕張市 21.6%
 三 公共 八雲町 23.1%  四 公共 大樹町 20.7%
 四 特環 上士幌町 21.5%  五 公共 鵡川町 16.7%
 五 特環 常呂町 18.6%  六 公共 厚岸町 16.0%
 六 特環 新冠町 16.3%  七 公共 北檜山町 14.7%
序の口一 特環 鹿追町 0.5% 序の口一 特環 栗山町 0.3%
 二 公共 江差町  二 特環 様似町
 三 特環 三石町  三 特環 中頓別町
 四 公共 白糠町  四 公共 羽幌町
 五 特環 弟子屈町  五 公共 足寄町
 六 公共 増毛町  六 特環 中富良野町
 七 公共 平取町  七 特環 ニセコ町
 八 特環 南富良野町  八 特環 音別町
 九 特環 朝日町  九 特環 西興部村
 十 特環 浜中町  十 特環 乙部町
十一 特環 小平町 十一 特環 天塩町
十二 特環 奥尻町 十二 特環 滝上町
十三 特環 熊石町 十三 特環 瀬棚町
十四 特環 真狩村 十四 公共 森町
十五 特環 えりも町 十五 特環 知内町
十六 特環 上砂川町 十六 特環 寿都町
十七 特環 追分町 十七 特環 湧別町
十八 特環 幌延町 十八 特環 喜茂別町
十九 流関 浦臼町 十九 特環 赤井川村
二十 公共 今金町 二十 特環 上湧別町
二一 特環 豊富町 二一 特環 利尻町
二二 特環 更別村 二二 特環 遠別町

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