建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年11月号〉

寄稿

ゆたかな暮らしと地域社会を支える道づくり

国土交通省関東地方整備局 千葉国道工事事務所長 萩原 良二 氏

萩原 良二 はぎわら・りょうじ
昭和37年11月生 兵庫県出身 名古屋工業大学土木工学科卒業
平成52年 4月建設省入省
平成 4年10月住宅・都市整備公団関連施設・交通部施設第二課長
平成 6年 4月土木研究所地震防災部振動研究室長
平成 7年11月建築研究所国際地震工学部第二耐震工学室長
平成11年 4月より現職 (千葉国道工事事務所長)
はじめに
当事務所は、安全で円滑な道路交通を確保し、地域の経済と生活を支え、活力ある地域づくりを支援するため、千葉県内の一般国道6号、14号、16号、51号、126号、127号、357号、409号の改築・維持管理と、地域間の交流・連携を促進し、地域の均衡ある発展の基盤となる一般国道127号富津館山道路、一般国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)など、県内の幹線道路網となる高規格幹線道路の整備を担当しております。

▲国道16号千葉バイパス
▲富津館山道路
現況と今後の計画
富津館山道路については、平成11年3月に富津竹岡IC〜鋸南富山icまでの11kmが開通し、現在、富津館山道路の残る8.2kmの早期完成を図るべく、トンネル,橋梁などの工事を進めています。
圏央道については、本年3月千葉県区間95kmで初めての工事着手を記念し、木更津市内において圏央道起工式を執り行いました。今年度、東金〜茂原区間21.6kmが新規事業区間となり、神崎〜大栄区間10.7kmと茂原〜木更津区間28.5kmとともに、設計・用地買収・工事等を推進しています。
千葉市の中心部に集中する放射道路を環状に結ぶ一般国道16号千葉バイパスの工事を昭和47年から進めていましたが、未供用区間であった松ヶ丘〜蘇我間(2.8km)が完成し、今年7月に4車線で13.5kmの全線が供用となりました。また、一般国道51号の成田拡幅、北千葉拡幅、一般国道127号の子安拡幅、一般国道6号の南柏駅前交差点改良などの事業を行っています。
さらに、一般国道16号千葉柏道路約27kmの計画づくりについては、PI(パブリック・インボルブメント)方式を導入して、沿道地域と一体となって進めます。また、よりよい「沿道環境の改善と地球環境の保全」にむけ、民間を含む関係機関で構成する協議会を設立し、「千葉県東葛地域沿道環境改善プログラム」を今年3月に策定しました。今後、このブログラムに従い関係機関との連携のもとに総合的な環境対策を推進することとしています。
また、道路の掘り返しを削減し、良好な都市空間の形成、高度晴報化社会の構築のための基盤づくりを推進するため、一般国道16号神明共同溝等の整備、国道6号、14号、16号、51号、126号における電線共同溝および情報ボックス(光ケーブル布設)の整備を行っています。平成13年度内を目途に出張所,事務所間等の管内光通信ネットワークを完成させるとともに、千葉県版「地域ITSのマスタープラン」の作成などを推進しています。
あわせて、一般国道127号の異常気象時通行規制区間12.2kmに道路法面や施設の監視1TVを平成12年度に29基設置し、その遠隔監視システムの構築運用を開始するとともに、道路防災や震災対策、舗装修繕、橋梁補修、トンネル拡幅補修、歩道の段差解消(バリアフリー化)など、地域のニーズを踏まえた効果的な事業執行を、地域と一体となって推進することに努めています。

おわりに
千葉県においては、慕張新都心、かずさアカデミアパーク、成田国際空港都市を拠点とした「千葉新産業三角構想」や、「房総リゾート地域整備構想」などを中核とした地域振興プロジェクトによる活力ある地域づくりと、東京、西日本、束日本の三方に開かれた地域構造となることを目的とした、新たな地域整備の基本指針である「21世紀ちぼ創造3ウェイ・ビジョン」で提示された3つのゲートウェイの構築による、各経済圏との交流・連携を強化した「開かれたちば」づくりを目指しています。 当事務所で管理ならびに整備を進めている幹線道路網はその基盤となるものであり、着実に事業を推進して地域の期待に応えていきたいと考えています。
▲圏央道起工式の模様 ▲国道16号千葉バイパス開通式典

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