建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年10月号〉

寄稿

特集・日本道路公団(JH) 中部支社

湾岸弥富IC〜川越IC間、平成13年度末の開通を目指す

日本道路公団 中部支社 名古屋工事事務所長 角 昌隆 氏

角 昌隆 すみ・まさたか
昭和50年3月九州大学工学部土木工学科卒業
昭和50年4月日本道路公団入社 広島建設局 建設第二部 特殊設計課
昭和61年2月仙台建設局 建設部 構造技術課 課長代理
平成元年2月東京第二建設局 佐久工事事務所 構造工事区 工事長
平成 4年2月本社 技術部 構造技術課 課長代理
平成 5年6月名古屋建設局 建設第二部 構造技術課 課長
平成 8年7月名古屋建設局 名古屋工事事務所 所長
現在に至る
事務所概要
名古屋工事事務所は、第二東名・名神高速道路のうち、愛知県域及び三重県域の調査を実施する組織として、平成4年7月に名古屋調査事務所として発足した。平成5年11月には建設大臣より施工命令が出されたことにより、平成6年2月に工事を担当する組織として、東名阪自動車道(名古屋〜名古屋西)を担当する名古屋工事事務所に統合。その後は、事業の進捗に伴い、平成6年11月に四日市工事事務所と、平成11年7月に東名古屋工事事務所と分割された。
現在は第二東名高速道路の豊明市〜名古屋市間(約7.5km)と、第二名神高速道路の愛知県域(湾岸弥富ICから愛知・三重県境までの約1.4km)の建設に関わる業務を担当している。
路線概要
路線は愛知県内の尾張地方と三河地方の境に位置する一級河川・境川から尾張丘陵地帯を西進、一般国道23号と豊明ICで連結する。豊明ICからは、一般国道23号線と重複(一部並行)しながら西進し、名古屋南ICにいたる。
名古屋南ICからさらに西進し、名古屋港において、一般有料道路の伊勢湾岸道路(東海IC〜飛島IC)と接続し、愛知・三重県境に位置する木曾岬干拓地にいたる。
事業の進捗状況
豊明市〜名古屋南IC間
豊明市〜名古屋南IC間(約7.5km)の事業進捗状況は、平成12年度までに上・下部工工事をすべて発注済である。工事発注件数は、下部工工事13件(このうち9件竣工)、上部工工事36件(このうち5件竣工)となっている。また、今年度内に舗装工事を発注していく予定であるこの区間の進捗率は、用地約98%、工事約61%となっている。
豊明ICから名古屋南IC間は、1日当たり約9〜10万台が通過する一般国道23号線と重複する構造となっている。橋梁は、できるだけ国道の通行規制を少なくすることに主眼を置き、基礎工事では、周辺地盤への影響が少ない圧入オープンケーソンを採用。限られた施工ヤードでの工事を可能にするとともに、下部工工事では国道23号線の交通を確保するため鋼製橋脚を採用し、短期間での工事を可能にしている。上部工では合理化鋼床版箱桁橋を採用して架設時の重交通への影響を少なくし、また桁製作費の経費節減を図っている。
この中で有松高架橋(橋長655m)においては、「多径間連続送り出し工法」を採用している。これは、橋脚を建設したあと、道路そのものを橋脚の上へ送り出して行うという画期的な工事方法である。最大送り出し重量は約12,000t、1回の送り出しは、12時間で最大130m、送り出し長は約720mと世界最大級だ。
国道23号線の通行止めは、平成12年度までに7回実施している。今後、平成13年度に6回、平成14年度に5回の通行止めを予定しており、引き続き関係機関との調整を密に行い、鋭意工事の進捗を図っていく。
湾岸弥富IC〜愛知・三重県境間
第二名神高速道路の湾岸弥富IC〜愛知・三重県境間は、上・下部工工事を全て発注済であり工事進捗率は、約91%となっている。この区間の上部工は、プレキャストセグメント工法によるpc箱桁橋を採用し、省力化・機械化による工期の短縮、安全性・品質並びに経済性の向上を図っている。
なお、湾岸弥富IC〜川越IC間(8.3km)については、平成13年度末の開通を予定しており、工事は最終段階となっている。

▲第二東名 名古屋南IC全景

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