建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年10月号〉

寄稿

苫小牧港建設50周年

国土交通省北海道開発局 室蘭開発建設部苫小牧港湾建設事務所長 上西 隆広

はじめに
苫小牧は、北海道の中央に広がる石狩平野の太平洋南西岸に位置し、道都札幌へは約40q、新千歳空港へは約20qと近く、他の道内主要都市へも高速交通網により接続されており、陸海空の交通の要衝になっています。
苫小牧港の歴史
苫小牧港の歴史は、大正の初期、勇払川河口を利用した漁港造りにはじまります。その後、大正13年に北海道技師であった林千秋の「勇払築港論」発表を機に港湾としての勇払原野・苫小牧の豊かな将来性が認識され、幾多の構想を経て、昭和26年に本格的な苫小牧港西港区の建設が始まりました。昭和38年の石炭埠頭が完成して供用開始したあと、時代の要請に伴い逐次施設整備を進めてきました。また、東港区は苫小牧東部地域開発の中心となる工業港として昭和51年に工事に着手しています。
現在の苫小牧港は、西港区、東港区を併せ港湾区域約14,000ha、海岸線約24qに及び、背後には西部工業団地・東部基地という本道随一の大規模工業地帯が形成されています。また、多くの内貿定期航路が開設され道内の流通拠点にもなっています。着工から30年を経た昭和56年には特定重要港湾に指定され、本道経済はもとより日本経済の安定的な発展に大きな役割を果たしています。近年では国内フェリー航路の充実と国際コンテナ航路の充実などによりそれぞれの取扱貨物量は飛躍的な伸びを示しており、ますますその役割にさらなる期待が寄せられているところです。
今後の取り組み
苫小牧港の建設は、昭和26年に本格的に着手してから21世紀を迎えた今年でちょうど50周年になります。その間に苫小牧市の人口は4万1千人余りから17万3千人と4倍以上に増えていることを例示することで分かるとおり、当地苫小牧市にとり港湾整備の効果は計り知れないものがあります。この港の整備効果は当地のみにとどまらず、広く北海道全体にも、さらには日本全体にも影響しています。
室蘭開発建設部苫小牧港湾建設事務所では、苫小牧港の建設50周年を機に、港湾整備の経緯などを取りまとめています。併せて、苫小牧港の整備効果についても専門のシンクタンクに委託して委員会形式で検討していただいているところです。その成果につきましては、シンポジウムなどのイベントを通して公開してまいりたいと考えています。
また、急激に増加する国際コンテナ貨物への対応など、今日的な課題に対応して整備を進めてまいりますので、引き続き関係する皆様のご協力とご理解をよろしくお願い申し上げます。
▲西港区

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