建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年10月号〉

寄稿

南部住宅建設事務所の事業概要と役割

東京都南部住宅建設事務所長 秋葉 茂雄

秋葉 茂雄 あきば・しげお
昭和18年7月10日生まれ千葉県出身
昭和43年入都(住宅局勤務)
平成 8年住宅局管理部管理指導課長
平成10年住宅局不動産業指導部免許課長
平成12年住宅局東部住宅建設事務所副所長
平成13年住宅局南部住宅建設事務所長

東京都住宅マスタープランは、「居住の場としても魅力的な東京の実現」を基本理念とし、「ゆとりと魅力ある居住」、「高齢者・障害者などだれでもが安心して暮らせる居住」、「安全で快適な居住」、そして「それぞれの地域特性に対応した居住」を東京における居住の将来像としています。
住宅局は、これらの実現を目標として、住宅政策を展開してきたところであります。この住宅政策を実施する組織として、南部住宅建設事務所、東部住宅建設事務所および北部住宅建設事務所の3事務所があり、住宅の建設を行っています。
南部住宅建設事務所は、東京都の多摩地区の17市1町1村と広い区域を所管しています。
事業としては、現在は都財政再建のため新規建設は凍結となっており、都営住宅の建て替えを行っています。建替対象住宅は、木造住宅と簡易耐火住宅の建て替えがほぼ終わっていることから、昭和30年代に建設された鉄筋コンクリート造りの住宅となっています。
当事務所の13年度の事業は、10団地900戸の都営住宅の建て替えを予定しています。主な団地としては、八王子市長房団地に3棟130戸、同じく中野町団地に4棟216戸、日野市多摩平地区に162戸等であります。
建替事業は、単に住宅を更新するだけでなく、防災化・不燃化、土地の有効利用、住環境の整備、居庄水準の向上の面からも重要であり、積極的に建て替えていく方針であります。しかしながら、都営住宅の建替事業を取り巻く環境は、依然として厳しいものがあります。具体的には、建替事業の実施にあたり、生活関連施設の整備等について地元の市町村と協議や調整を行っていますが、合意を得るまで相当の日時を要しています。
また、都営住宅の建設によって、日照障害、テレビ電波障害や工事による騒音・振動等により周辺住民の生活に影響を与えることもあり、周辺住民との調整も時間を必要としています。いずれにしましても、都営住宅の建替事業は、単なる住宅の建設にとどまらず、街づくりの一環として取り組んでおり、地元市町村、地域住民、関係機関及び居住者等のご協力をいただき進めていかなければなりません。
今日の都財政の厳しい状況の下にあって、新規建設が凍結されていることを踏まえると、建替事業はますます重要であり、事務所一丸となって事業の効率的な推進に当たりたいと考えています。


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