建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年9月号〉

寄稿

つくり育てる漁業を推進

国土交通省北海道開発局 網走開発建設部網走港湾建設事務所長 山田 英則

網走港湾建設事務所の概要
網走港湾建設事務所は、重要港湾の「網走港」と第4種漁港の「サロマ湖漁港」同じ第4種漁港「宇登呂漁港」の3港を担当しています。
網走港は、北海道北東部、オホーツク海に面し、網走川の河口部に位置する港湾であり、大正時代から避難港として整備が進められてきましたが、昭和53年4月重要港湾として指定されたのを契機に本格的な商港としての整備が進められ、現在では網走市、北見市を核とする北網地区の産業、生活に係わる物流を支える港湾として、また、沖合、沿岸漁業の基地として重要な役割を果たしております。
サロマ湖漁港は、オホーツク海のほぼ中央に位置し、サロマ湖とオホーツク海を砂州で隔て、昭和4年に漁民による潮切りにより永久湖口となった第一湖口が昭和63年に第4種漁港に指定されました。
オホーツク海とサロマ湖の湖口に位置するサロマ湖漁港は、湖内第一種漁港と外海を結ぶ航路及び前進基地として、またオホーツク海沖合で操業する大型漁船の緊急避難港として、これら航路の確保及び操業漁船の流氷による災害事故防止のための整備を図っております。特に、平成6年度から整備が進められてきたアイスブームについては平成12年度で完了しましたが漁民の期待に応えた成果を上げており、流氷による被害は皆無となっております。
宇登呂漁港は、宇登呂地区と、知床岬地区のふたつの地区にわかれており、宇登呂地区は、昭和26年第4種漁港に指定されて以来、事業が進められてきました。本地区は、地元漁船の大型化及び刺網、延縄漁業の外来船の利用により、港内が狭溢となっていることから、漁港の拡張工事を推進して外来船及び地元定置漁船の係船岸を確保するとともに、漁港用地を造成し、沿岸漁業の拠点港として、また沖合漁業の基地、避難港として整備しています。知床岬地区は、知床岬先端部に位置し、気象の厳しい立地条件にあり、昭和44年に分区として指定され、避難港として逐次整備されてきています。
平成13年度の事業
網走港の平成13年度事業は、新港地区では小型船だまりの供用に向け、船揚場、防波堤(波除)等を継続整備するとともに、泊地の整備に着手します。港町地区では、防波堤(北)を整備し完了させます。川筋地区では物揚場(〜4m)の改良、泊地(-4m)、港湾施設用地(北)を継続整備します。
またサロマ湖漁港の平成13年度の事業は、つくり育てる漁業を推進するため、内港防波堤、ゲート、防波堤(防氷)、船揚場などを整備します。
さらに宇登路漁港の平成13年度事業は、宇登呂地区において漁船の混雑緩和のため、水深3.5m岸壁、用地等を継続して整備します。また就労環境改善のため、西船揚場を改良整備します。

HOME