建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年7月号〉

寄稿 特集 日本道路公団(JH)四国支社

ロマンと碧のハイウェイ 高松自動車道の概要

高松工事事務所の事業

日本道路公団 四国支社 高松工事事務所長 有水 恭一 氏

有水 恭一 ありみず きよういち
鹿児島県出身52歳
1967年日本道路公団入社
1982年本社工務第二課
1986年大阪管理局(現関西支社)補修第一課課長代理
1990年東京第一建設局(現東京建設局)草加工事事務所工事長
1992年本社工務第二課課長代理
1994年大阪建設局(現関西支社)技術第一課長
1997年7月1日から現職
高松中央IC〜高松西IC 現場の状況
はじめに

高松白動車道は、瀬戸中央自動車と神戸淡路嗚門白動車道を直結する路線であり、エックスハイウェイの一翼として、四国内を活性化するのみならず、京阪神・中国地方との人・物の交流に大きく貢献する道路として、香川県をはじめ、各方面から1日も早い全線開通を期待されている。
このうち香川県内については、平成13年3月29日に高松中央IC〜高松西IC間を除く全区間が開通し、同区間9.0kmを残すのみとなっており、平成14年度内の供用を目指し、橋梁(上・下部)工事が最盛期を迎えている状況となっている。

路線の概要
高松中央IC〜高松西IC間は高松市街南部を一般国道11号(バイパス)に併設する高架構造で西進したのち、県道山崎御厩線にて南進後、供用中の高松西ICに接続するもので、平成2年12月に都市計画決定されている。同区間では一部3.9km区間において、現道国道の拡幅(32m→40m)が必要となっていることから、高速道路建設事業を国道拡幅事業に合わせ、国土交通省に委託している。国土交通省及びJHにより建設が進められている区間は、既に6車線又は4車線で供用している現道交通を通しながらの工事となり、また市街化された地域を高架構造で通過するため、景観にも十分配慮する必要があり「ロマンと碧のハイウェイ」という基木コンセプトを地域全体として展開し、周辺事業とも調整を図っているところである。
▲高松中央IC
工事の特色
前述のとおり、高松市内区問は現道交通上における全線高架橋梁の2階建構造であるため、以下の工法が用いられている。ひとつは、大型移動支保工による施工で、約2kmの施工延長となっている。この方式は、支保工が高架上を移動し、コンクリート桁を製作するかめの型枠とそれを支える支保工が橋脚問を一括して移動して順次主桁を施工するもので、直下の国道交通への影響を最小限に抑えることが可能になるものである。また今回は本方式による上下線一体施工となっており、国内でも最大級規模であり、交通障害の抑制とともに工期の短縮、経費の節減も図れるもので、現在2基が稼働しているところである。
次に現道交通における交差点部等に採用されているワーゲン施工が挙げられる。この工法はワーゲンと呼ばれる移動式作業車を使用し、張出し長2〜4mの桁を型枠、鉄筋、pc鋼材の緊張、定着、作業車移動というサイクルを繰り返しながら、張出し架設を行うもので、固定支保工を使用できない交差点など6橋に採用している。
このほかにも、高架区間における景観対策(全線透光式遮音壁の採用、鋼橋や料金施設等の色彩)や交通安全対策(R400区間における安全施策)などについても、工事の進捗にあわせ、検討を実施しているところである。
安全及び品質確保への取組み
高松工事事務所では事務所安全協議会において、従来の安全に関する取り組み以外にも、様々な活動を行っている。安全協議会の下部に全請負人による「さぬき会」を組織し、安全・品質・設計・広報・厚生・連絡の6つの部会により活動を行っている。安全部会では、管内統一の「安全作業標準」を作成し、全請負人が情報を共有化、周知、徹底している。また、品質部会や設計部会でも「品質施工標準」により、品質の向上や施工不良の発生防止に努めている。こうした現場に直結した取組み以外にも、広報部会による「さぬきニュース」の発行や、厚生部会による地元祭り等への積極的な参加など、従来の安全協議会の枠にとらわれない活動が日夜実施されている状況である。
『百年先も自信作』をモットーに、香川の県民道にふさわしい、より質の高い道路空間を創出し、一日も早い高松白動車道の全通を目指していきたい。

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