建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年7月号〉

寄稿 特集 日本道路公団(JH)四国支社

太陽さんさん土佐を拓く黒潮ハイウェイ

高知工事事務所の事業

日本道路公団 四国支社 高知工事事務所長 馬場 照幸

馬場照幸 ばばてるゆき
長崎県出身
昭和31年5月20日生
昭和54年4月 日本道路公団入社
平成 9年7月〜平成12年10月 中国支社工務課長
平成12年11月〜 四国支社高知工事事務所長
事務所概要

高知工事事務所は、昭和50年に調査事務所として設置され、昭和52年に工事事務所に名称変更し昭和62年10月8日に大豊IC〜南国IC間、平成4年1月30日に川之江jct〜大豊IC間,平成10年3月20日に南国IC〜伊野IC間を開通しました。又、平成11年4月23日に大豊〜南国間の曽我部川地区(約1.0km)、平成13年4月11日に同区間の土佐山田地区(約2.9km)の四車線化及び四車線化のための上下線切替を実施し現在に至っています。

路線の概要
四国横断自動車道は、阿南市を起点とし高松市を経て、川之江jctで松山自動車道と又、川之江東JCTで徳島自動車道と分岐しさらに南下し、高知市、土佐市、須崎市、中村市を経て大洲市へ至る約443kmの高速道路です。
高知(工)では、県内の既に供用している大豊ICから南国IC間のうち約14.8kmの4車線化事業区間で、四国山地の急峻な地形をトンネル、橋梁(構造物比率約90%)で通過し、南国ICから高知IC間約6.3kmの4車線化事業は、高知平野の北側山麓を通過します。
伊野ICから須崎IC間24.2kmの新設事業区間は、延長の約30%が層厚10〜30m、含水比150〜400%の腐植土や50〜80%の粘性土の互層からなる軟弱地盤区間です。
須崎新荘ICから中土佐IC間約7.0kmは、構造物比率が約80%の山岳道路です。
中土佐ICから窪川IC間約14.8kmは、構造物比率約40%で影野付近から仁井田川沿いに山麓を通過する。四車線化及び新設事業区間合せて67.1kmの建設工事を担当しています。
工事概要
大豊IC〜南国IC間は、中央構造線が通過しており、御荷鉾構造線等大小の破砕帯等があり、トンネル掘削においては近接するi期線へ影響しない様注意するとともに、坑口付近は地すべり地帯であり対策工を施工中です。
明神トンネル(延長3,714m)は、I期線で避難用通路として施工した避難坑を拡幅しながら掘削する工事で、供用側で万一災害が発生した場合、避難通路としての機能を確保しながら施工しています。
太郎谷橋は、鋼3径間連続トラス橋とRC橋脚を剛結した複合橋梁形式を採用し、架設工法は、国内で初めての「トラベラクレーンによるバランストキャンチレバー工法」を採用しました。
工事は、26工事発注済で13工事が竣工しました。平成13年4月末の工事進捗率は、51%です。
南国〜高知間の工事は、3工事の発注を終え内1工事が竣工しています。残る工事も順次発注する予定です。
笠ノ川橋は、「鋼5径間連続2主鈑桁橋」を基本として、長支間化に伴う構造対応として、桁構造を合成桁、中間支点部を剛結構造としています。桁と橋脚を剛結するため、中間支点部付近を4主桁化して、実質的な中間長を狭め主桁高2.6m程度のシンプルな橋梁としています。
平成13年4月末の工事進捗率は、13%です。
伊野〜須崎間は、軟弱地盤が約30%を占める区間で、緩速盛土施工(5p/日程度)と放置期間を確保することにより、安定した状態で盛土の施工ができました。又、長期沈下対策として、1.盛土の上げ越し及び幅員余裕の確保。2カルバートボックスの上げ越し及び内空余裕の確保を実施しました。新技術・新工法としては、
1.軟弱地盤に鉛直ドレーンを打設し、その頭部を水平ドレーンと有孔集水管と連結させた後、気密シートで覆い地盤内の水と空気を強制的に脱水し、軟弱地盤の圧密沈下と強度増加を図る「強制圧密脱水工法」。
2.軟弱地盤上の盛土の下部に引張補強材(高強度ジオシンセティックス材料)を敷設することにより盛土を補強し、すべり破壊に抵抗する「高強度ジオシンセティックスを用いた敷網工法」。
3.橋台背面の裏込め材として、セメント、水に気泡を混合し軽量化した材料(気泡混合軽量土)を用い、橋台に作用する土圧を軽滅する「泡混合軽量盛土(FCB)を用いた軽量盛土工法」。等に取り組んでいます。
工事は、36工事発注済で21工事が竣工しました。平成13年4月末の工事進捗率は、66%と最盛期をむかえています。
この区間は、平成14年度開通を目指しており、残された用地問題の解決を図りながら、既発注の土工工事、橋梁上部工工事の施工を進め、平成13年度に舗装工事、施設関連工事を発注・施工することになっています。
須崎新荘〜中土佐間は、設計協議中です。
中土佐〜窪川間は、現在設計協議用図面等を作成し、設計協議準備中です。
▲大豊IC ▲桂浜(高知市)

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