〈建設グラフ1999年7月号〉

寄稿

千葉市社会基盤整備関係5局長の視点

千葉市環境局 高橋紀一 氏

昭和15年12月17日生
昭和39年専修大学法学部卒業
昭和35年1月千葉市役所入職
昭和61年4月保健衛生部健康管理課長
平成 3年4月環境衛生局保健衛生部参事、保健管理課長事務取扱
平成 4年4月市民生活局福祉部参事、福祉総務課長事務取扱
平成 5年8月中央卸売市場長
平成11年4月環境局長
ISO14001認証取得に向け準備
千葉市の環境行政について申し上げます。
まず、環境保全対策については、環境施策の総合的な推進を図る観点及び「地球温暖化対策の推進に関する法律」への対応などの視点から、環境基本計画の見直しに着手するとともに、環境負荷の低減等を一層推進するため、ISO14001の認証取得に向けて準備を進めるほか、人と自然が共生できる良好な環境づくりを進めるためにエコミュージアム構想基礎調査を実施します。
大気保全対策については、ベンゼン等の有害大気汚染物質のモニタリング調査を実施するほか、ダイオキシン類の大気環境調査とあわせて発生源の実態把握調査を行うとともに、微少粒子状物質の調査を新たに実施します。
水質保全対策として、地下水浄化施設の整備促進を図るため、地下水浄化事業推進基金を創設するほか、本年度からスタートする水環境保全計画における望ましい水環境像の実現に向けた各種施策を推進します。
次に、廃棄物対策については、ごみの減量・再資源化を図るため、市民及び事業者のリサイクル活動を支援するなど、各種施策の展開を図るとともに悪質な不法投棄者に対しては監視カメラを設置して対応します。
このほか、焼却残渣、破砕不燃残渣及び不燃ごみを埋立処分するため10年度から13年度までの4か年継続事業で新内陸最終処分場の整備工事を進め、また、新港清掃工場の老朽化やダイオキシン対策に伴い代替工場の建設を11年度から14年度の継続で建設の予定ですが、今年度はプラント設備工事に着手するほか建築実施設計等を行います。
資源循環型社会の構築へ努力
さらに、産業廃棄物対策として、ダイオキシン類の濃度規制に対応するため、事業者の施設確認調査を行い、市内の産業廃棄物の実態及び推移等の調査を行います。
このように環境保全や廃棄物の減量等を推進し、資源循環型社会の構築に向けて努力していかなければならないと考えております。
●新内陸最終処分場

 最終処分場の建設は、平成14年3月に完了し、一部供用(埋立)開始を平成12年9月に予定している。
 最大の特徴として、底部にソイルセメント層による遮水層を設け、さらにゴムシートを二重に敷設した三重の遮水構造としてモニタリング設備を設けている。
 また、最終処分場からの汚水を浸出水処理施設にて処理して、より厳しい水質で放流することにより、環境の保全に万全な対策を期している。

■事業内容
・工事場所 千葉市若葉区更科町・中田町地内
・整備面積 12.12ha
・埋立面積 8.28ha
・埋立容量 939,000m3
・埋立物 焼却残渣
破砕不燃残渣及び不燃ごみ
・浸出水処理施設 処理能力 400F/日

□地盤改良面積/36,200u
□遮水工(ゴムシート)/19.4ha
□浸出水集排水管
  幹線(φ400〜800) 約650m
  支線(φ200) 約3,700m


HOME