建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年8月号〉

寄稿

安全で安心して暮らせる地域社会の形成に向けて

――北海道釧路土木現業所平成17年度事業概要

北海道 釧路土木現業所長 上原 光彦

上原 光彦 うえはら・みつひこ
昭和22年10月生 風連町出身、小樽緑陵高卒
平成 1年小樽土現総務課管財係長
平成 2年小樽土現工事契約課予算係長
平成 4年土木部道路課工事第1係長
平成 6年留萌土現総務課長
平成 8年商工労働観光部商業貿易振興室貿易経済交流課主幹
平成 9年経済部貿易経済交流課主幹
平成10年建設部道路計画課長補佐
平成11年同総務課長補佐兼総務部人事課主幹
平成13年同参事(石狩湾新港管理組合派遣)
平成15年同総務課長
平成16年現職
▲釧路空港線道路改良工事(舗装工) ▲標津川広域一般改修工事
▲琵琶瀬漁港海岸高潮対策工事

釧根地域は、道内有数の観光資源を有しており、さらなる発展が期待される地域であります。
釧路土木現業所では、この釧根地域のすぐれた地域特性を生かし、管内の振興を図るため、環境や景観に配慮しつつ、関係機関や住民と連携を図りながら社会基盤の整備を進めています。また、平成15年度に釧根地域を襲った大地震など大規模な災害を踏まえ、安全で安心して暮らせる地域社会の形成に向けて、防災・震災対策への取り組みを重点的に推進してまいります。

平成17年度当初の公共事業費は、事業費173億8千9百万円、箇所数96箇所で事業費については前年と比べ89.8%と減少しております。
道路関係では、国立公園・道立自然公園の周辺道路やそれらを結ぶ道路、北太平洋シーサイドラインを形成するルートの整備など観光振興などの支援のため、道路交通ネットワークの整備を進めています。さらに、地域の幹線道路として、急カーブ、急勾配などの事故危険箇所の解消、災害対策、冬期交通対策、歩行者に優しい交通安全対策などを重点に事業を進めています。

北太平洋シーサイドラインを形成している根室浜中釧路線は、釧路町の昆布森地区において急カーブ・急勾配の区間が連続し交通の隘路となっていることから、トンネルや橋梁による道路改築事業を進めており、本年度は昆布森トンネルの完成を予定しております。
釧路環状線の武佐工区は、都市内交通の渋滞緩和を図るため、釧路市東部地区と釧路町の国道44号線を結ぶルートとして整備しており、本年度はルート内の仮称武佐大橋の整備を進めます。

街路事業は事業費28億7千2百万円、箇所数6箇所で、主な事業としては、3・3・13星が浦海岸通は、国道38号線からjr根室本線を交差し釧路西港第4埠頭へアクセスする幹線道路として整備を進めます。
空港事業は事業費4千万円で中標津空港の滑走路の舗装を予定しています。治水系事業としては、事業費57億8千3百万円、箇所数30箇所です。
河川事業は事業費14億7千万円、箇所数6箇所で、主な事業としては、釧路川広域基幹改修事業は、平成10年に国土交通省の「ふるさとの川整備事業」に指定され、治水対策を進めるとともに釧路のシンボルにふさわしい市民の憩いの場としての河川空間の整備を目指します。

久著呂川統合河川整備事業は、釧路湿原の河川環境保全に関する提言に基づき、土砂の流出を抑制し湿原の乾燥化を防ぐ自然再生事業として事業を推進します。
砂防等事業は事業費5億3千8百万円、箇所数5箇所で、主な事業としては、雌阿寒岳における火山泥流や土石流など、火山噴火による災害から住民を守るため、観測局機器や通信設備整備など火山噴火警戒避難対策事業を進めます。

建設海岸事業は事業費5億8千万円、箇所数5箇所で、主な事業としては、野付崎海岸では、日本最大の砂嘴であり、道立自然公園にも指定されている野付半島を侵食から守るため、自然に配慮した自然と共生する海岸の整備を進めます。
漁港事業は事業費26億3千4百万円、箇所数12箇所で、主な事業としては、 標津漁港において、「安全」「安心」を原点に衛生管理と周辺環境に配慮した整備を基本方針として事業を進めます。昆布森漁港や散布漁港では、港の静穏化を図る漁港の拡張整備を進めます。

漁港海岸事業は事業費5億6千1百万円、箇所数1箇所で、主な事業としては、標津漁港海岸では、標津町の海洋性レクリエーションスペースを創造するマリンプラザ事業を支援する環境整備事業を進めます。
今般、道の危機的な財政状況など社会資本整備を巡る情勢は厳しいものがありますが、釧根地域のだれもが豊かで安心して暮らせる活力のある地域社会の実現を目指して、釧根地域における社会基盤整備を効果的、重点的に整備してまいりたいと考えております。


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