建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年7月号〉

寄稿

快適で質の高い公共空間の構築を目指す

――北海道小樽土木現業所平成17年度事業概要

北海道 小樽土木現業所長 畑 秀叔

畑 秀叔 はた・ひでとし
昭和28年1月生、札幌市出身、北大工卒
建設部空港港湾課長補佐
札幌土木現業所企画総務部企画調整室長
札幌土木現業所事業部長
平成17年度公共予算について
小樽土木現業所の平成17年度公共事業当初予算は、100箇所、約150億7千2百万円(対前年度比91%)となった。
道路建設課所管(道路、街路、下水道)は、58箇所、72億6千5百万円。道路事業は、野塚婦美線(積丹町)入舸トンネルの完成、ニセコ高原比羅夫線(倶知安町)の新たなルートとなるサンモリッツ大橋と橋梁を結ぶ道路舗装等を整備し供用を目指すほか、小樽定山渓線の地すべり対策の整備促進や清原喜茂別線金山地区の急カーブと狭隘な橋梁部の線形改良整備を行うなど、51箇所、69億7千万円(対前年度比98.7%)。
街路事業は、小樽市内の3・2・4臨港線jr勝納跨線橋の耐震補強整備に係る調査と3・4・17朝里温泉通の拡幅整備に係る調査に着手する。1億1千2百万円(対前年度比50.9%)。
下水道代行事業は、共和町の幹線管渠の整備促進と喜茂別町終末処理場の汚水処理ポンプ等を増設し完成を図る。2箇所、1億8千3百万円(対前年度比14.9%)。
治水課所管(河川、砂防関係、海岸、漁港)は42箇所、78億7百万円。
河川事業は、余市川で緊急対策特定区間の重点的整備を進めるほか、尻別川・朱太川の河道整備や島牧村の折川・泊川高潮対策の促進、堀株川の区間完成を図るなど14箇所、46億3百万円(対前年度比99.1%)。
砂防関係事業は、岩内町幌内川砂防・仁木町銀山学園地すべり対策の整備促進、小樽市天神3丁目急傾斜地崩壊対策・余市町石切川砂防に新規着手するなど、15箇所、8億9千7百万円(対前年度比98.3%)。
海岸事業は、小樽市銭函海岸の整備促進、島牧村原歌海岸の完成を図るなど2箇所、8億4千万円(対前年度比92.3%)。
漁港関係事業は、神恵内村川白漁港・寿都町有戸漁港の整備促進、小樽市塩谷漁港・泊村盃漁港の完成を図るなど10箇所のほか、美国漁港海岸の環境整備を行うなど、14億6千7百万円(対前年度比91.2%)。
▲ニセコ高原比羅夫線(サンモリッツ大橋) ▲岩内洞爺線(真狩市街地)
各事業の概要
<道路事業>
安全で安心して走行できる道路通行を確保するため、積丹町の野塚婦美線入舸トンネルの完成供用を図るほか、赤井川村と余市町を結ぶ余市赤井川線冷水峠のトンネル化に関わる調査継続、島牧美利河線と小樽定山渓線では地すべり対策整備を促進し、古平神恵内線は山岳橋(大雪崩橋)に近接の急傾斜面からの雪崩対策に着手する。
地域交通ネットワークを新たに形成し、アクセスの向上などを図るため、ニセコ高原比羅夫線の新ルートに架かるサンモリッツ大橋と道路舗装等の整備を進め、平成17年末の供用を目指す。真狩村市街地では、まちなみ再生と連携した岩内洞爺線の堆雪幅確保の整備を進める。また、寿都町寿都停車場線においても中心市街地再生と連携する道路整備に先行して物件補償関係を進める。
市町村代行事業は、愛媛団体通(ニセコ町)真狩川橋の下部工と賀老高原通線(島牧村)の整備を進め、浜中入船線(余市町)整備に係る物件補償を先行させる。

<街路事業>
小樽市内の街路3・2・4臨港線でjr勝納跨線橋の耐震補強整備などの先行調査と、3・4・17朝里温泉通の堆雪幅確保と歩道拡幅整備に係る調査に着手する。

<下水道事業>
過疎地域の下水道整備を町村に代わって北海道が行う過疎下水道代行事業は、共和町の幹線管渠布設の整備を促進するとともに喜茂別町においては終末処理場内に汚水処理ポンプ等機器類増設を完成し、快適な生活環境の向上を図る。

<河川事業>
安全で快適な生活産業基盤の保全を図るため、余市川では平成20年度までに河口から上流約2kmまでの緊急対策特定区間で内水氾濫対策の排水機場・浚渫等の重点的整備を進める。
また、尻別川(喜茂別町)、朱太川(寿都町)などで築堤・河道掘削・護岸の整備を促進する。小樽市の朝里川と勝納川では、憩いと潤いのある水辺空間の形成を図り、周辺景観に配慮した護岸、散策路などの整備を進める。
南西沖地震による津波被害のあった島牧村の折川、泊川においては、海岸事業と連携し高潮対策の河川築堤や護岸の整備を促進する。

<砂防関係事業>
砂防事業は、土石流災害対策として蘭越第一川(蘭越町)、中の沢川(黒松内町)、団地沢川(小樽市)、マカナイ川(仁木町)など9箇所で整備を促進し、石切川(余市町)で新規着手するほか、土砂災害予測に関わる情報基盤の整備を行う。
急傾斜地崩壊対策事業は、小樽市内において富岡2丁目2の整備促進と天神3丁目4を新規に着手する。
地すべり対策事業は、仁木町の銀山学園地区、島牧村の豊平橋地区の2箇所で整備を促進し、雪崩対策事業は古平港町4で整備を進める。

<海岸事業>
建設海岸は、小樽市の銭函海岸で離岸提の継続整備と島牧村の原歌海岸(歌島・本目・江ノ島地区)高潮対策の防潮堤防の完成を図る。

<漁港事業>
安全で良質な漁獲物の安定供給に寄与する地域水産物供給基盤整備事業を、神恵内漁港(神恵内村)、厚瀬漁港(島牧村)など7港で整備を促進し、千走漁港(島牧村)、塩谷漁港(小樽市)、美谷漁港(寿都町)の3港で概成を図る。        
▲塩谷漁港 ▲神恵内地区地域水産供給基盤
(神恵内漁港)整備工事

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