〈建設グラフ2001年3月号〉

寄稿

「新みちみらい計画」について

神奈川県県土整備部  道路整備課長 山田 秀一 氏

山田秀一 やまだ・しゅういち
昭和 45年 神奈川県採用
平成 8年 都市計画課 課長代理
平成 10年 津久井土木事務所 道路都市部長
平成 12年 道路整備課 課長(現職)
神奈川の自動車専用道路網の整備促進
(1) 目標とする整備量について
21世紀初頭(2015年)を展望して、神奈川における望ましい都市交通を実現するための交通施策の基本的な方向を示した「かながわ交通計画」において、「かながわ新総合計画21」で位置づけられた3つの都市圏を形成する南北方向の連携軸とそれらの都市圏を東西につなぐ2つの連携軸を強化しながら、県外との連携も意図した広城的な交通ネットワークを形成していくため、約250キロメートルの自動車専用道路網の整備を目指すこととしている。
(2) 整備の進捗状況について
次の各路線の整備進捗については、別添図の表に記載の事業中(一部事業中を含む。)及び供川中路線の状況概要である。また、インターチェンジやジャンクションの名称については、仮称も含む名称である。
ア 東京湾岸道路の整備
横浜市金沢区並木から中区本牧ふ頭までの高速湾岸線5期の約14.6km区間については、平成11年7月に三渓園から杉田の約7km区間を除いて部分供用された。残る区間は、平成13年度の供用を目指した整備が首都高速道路公団において進められている。
また、横浜横須賀道路の佐原インターチェンジから馬堀海岸インターチェンジまでの約4.3km区間については、現在、トンネル等の工事が日本道路公団において進められている。
イ 新湘南国道の延伸
茅ヶ崎西インターチェンジ(茅ケ崎市下町屋)から西湘バイパス(大磯町大磯)までの約6.7kmのU期区間については、昭和63年9月に都市計画決定され、平成3年7月に茅ケ崎市内で起工式を行い、このうち茅ケ崎西インターチェンジから茅ケ崎海岸インターチェンジの約1.4km区間が平成7年12月に供用された。残る区間は、現在、国において、川地買収が進められている。
ウ 東京湾横断道路の整備
川崎市から千葉県木更津市までの約15.1kmで、平成9年12月から東京湾アクアラインの名称で供用開始されている。
エ 川崎縦貫道路の整備
国道15号(川崎市川崎区富士見)から浮島ジャンクション(川崎区浮島)までの約8.9kmのi期区間については、平成9年12月に東京湾横断道路(東京湾アクアライン)の完成に合わせ、浮島ジヤンクション部分が供用されている。
なお、I期区間の内、残る区間については、現在、用地買収や工事が首都高速道路公団と国において進められている。
オ 横浜環状道路の整備
首都圏中央連絡自動車道に位置づけられている横浜横須賀道路釜利谷ジャンクションから国道1号の戸塚インターチェンジまでの約8.9kmの南側区間については、平成7年4月に高速横浜環状南線として都市計画決定され、現在、川地買収等が進められている。
平成12年3月には一部区間で、国において工事着手された。
また、高速横浜羽田空港線(生麦ジャンクション)から第三京浜道路(港北ジャンクション)までの約8.2kmの北側区間については、平成12年7月に、都市計画決定された。
カ 首都圏中央連絡自動車道の整備
高速横浜環状南線の栄インターチェンジ、ジャンクション(横浜市栄区)から新湘南バイパスに接続(藤沢インターチェンジ)する延長約7.5kmの横浜湘南道路については、平成12年7月に都市計画決定され、平成12年11月に測量地質調査説明会が行われた。
さがみ縦貫道路の内、新湘南バイバスから国道129号までの約21.6kmの南側区間については、平成6年6月に都市計画決定され、以来、国において、用地買収を進めるとともに、平成9年5月からは、一部区間(茅ケ崎市萩園〜寒川町田端)で、高架橋の基礎工事が始められている。
なお、南側区間の内、海老名南ジャンクションから海老名北インターチェンジまでの約3.4km区間については、平成10年12月に第一東海自動車道(現東名高速道路)として日本道路公団に施行命令が山され、現在、川地買収が進められている。
国道129号(厚木市と愛川町の市町境)から都県境までの約12.4kmの北側区間については、平成9年6月に都市計画決定され、現在、国において、道路設計や用地測量が進められている。
キ 三浦縦貫道路の整備
横浜横須賀道路の衣笠インターチェンジから国道134号の横須賀市林までの約5kmのi期区間については、平成6年6月に都市計画決定され、以来、用地買収や工事を進め、平成12年3月に開通した。
ク 保土ケ谷パイバスの延伸
上川井インターチェンジから東名高速道路までの約L=1.9km・横浜町田立体区間は、平成9年12月に供用開始されている。
ケ 国道246号バイパスの整備
厚木インターチェンジ・ジャンクション(さがみ縦貫道路)から秦野西インターチェンジ(第二東名高速道路)までの約29.1kmで、平成8年6月に都市計画決定された。
なお、平成10年4月に国の事業として伊勢原市上粕屋(伊勢原北インターチェンジ)から伊勢原市善波(伊勢原西インターチェンジ)までの約4.1km区間が新規採択され、用地幅杭設置の準備や道路設計が進められている。
また、平成12年度には厚木市中依知(厚木インターチェンジ・ジャンクション)から厚木市飯山(厚木北インターチェンジ)までの約3.6kmが、着工準備箇所となった。
コ 第二東名高速道路の整備
県内の基本計画区間は、延長約48km、このうち海老名市から、静岡県境までの約36kmについては、平成8年6月に都市計画決定され、平成8年12月の第30回国土開発幹線自動車道建設審議会で、海老名市から秦野市までが整備計画に位置づけられた。
さらに、平成10年4月に海老名南ジャンクション(さがみ縦貫道路)から伊勢原北インターチェンジ(国道246号パイパス)までの約8km区間が、建設大臣から日本道路公団に施行命令が出され、現在、伊勢原市城や海老名市域において設計協議や用地買収等が進められている。
また、平成10年12月の第31回国土開発幹線自動車道建設審議会で秦野市から静岡県境までの区間が整備計画に位置づけられ、平成11年12月に伊勢原北インターチェンジから秦野インターチェンジまでの約13km区間に施行命令がだされ、測量・調査が進められている。
なお、海老名市以東の区間については、現在、国において、調査・検討が進められている。
インターチェンジ接続道路の整備

新たに整備される自動車専用道路のインターチェンジヘの円滑なアクセスを確保し、利便性を県内各地域へ広めるため、インターチェンジに接続する道路の整備を推進する。

ア (都)河原口中新田線の整備
さがみ縦貫道路の海老名北インターチェンジ(仮称)へのアクセス道路として、県道43号(藤沢厚木線)から(都)下今泉門沢橋線までの区間と、取付道路の一部区間のあわせて延長約1.3kmの整備を図る。
イ (都)河原口中新田線中新田立体の整備
河原口中新田線の海老名北インターチェンジ(仮称)と(都)下今泉門沢橋線の区間には、jr相模線があり、この交差部を中新田立体として整備を図る。このため、jr東日本との交差協議を進めている。
ウ (都)下今泉門沢橋線の整備
さがみ縦貫道路の海老名北インターチェンジ(仮称)へのアクセス道路として、寒川町と海老名市との境から、北に向かって海老名市道12号線までの延長約4.7km区間を昭和47年度から事業を進めて平成10年度末までに延長約4.0km区間が完成している。残る事業区間は延長約0.7kmとなっており、平成13年度末の完成に向けて、事業中である。
エ (都)下今泉門沢橋線河原口立体の整備
海老名市道12号線から、北側の(都)河原口勝瀬線(市道13号)までの延長約0.7km区間については、将来のまちづくりも踏まえ小田急小田原綿を高架として整備を図る計画で、平成12年度より用地取得に着手している。
オ 県道22号(横浜伊勢原線)の整備
東名高速道路の厚木インターチェンジや第二東名高速道路の厚木南インターチェンジ(仮称)へのアクセス道路として、伊勢原市下落合〜見附島の延長1.0kmの区間を平成2年から事業に着手しており、平成11年度末で延長約0.2kmが完成し、残りの区間については、伊勢原市東部土地区画整理事業内の用地取得及び工事と、畠田橋の架替工事があり、早期完成を図る。
交流幹線道路網の整備

自動車専川道路網を捕完して各都市間を連絡強化する広域的な幹線道路網や、それぞれの地域の日常生活を支える幹線道路網の体系的な整備を推進する。

ア 県道22号(横浜伊勢原線)の整備
藤沢市下土棚から綾瀬市吉岡までの延長4.16km区間について4車線バイパスとして整備を進めている本路線は、平成元年度から事業着手し、平成11年度までに約76%の進捗となっている。
残事業としては、同路線が通る藤沢市北部第2(3地区)土地区画整理事業地内の用地取得及び改良工事等があり、順次、整備を進めている。
イ (都)寺尾上土棚線の整備
県道45号(丸子中山茅ヶ崎線)から県道40号(横浜厚木線)までの延長3.35km区間については、昭和62年度から事業を進めており、また、県道45号(丸子中山茅ヶ崎線)から藤沢市境までの延長1.12km1区間については、平成6年度から事業を進めている。
平成11年度末までで、延長3.35km区間の用地取得率は約98%、延長1.12km区間の用地取得率は約97%となっており、用地取得が済んだ区間より工事を進めている。
地域分断・交通のボトルネックの解消

地域分断や交通のボトルネックを解消し、道路ネットワーク全体の効率を向上させるため、大河川の橋りょうの新設・架替えや鉄道などとの立体交差化を推進する。

ア 戸田交差点(国道129号)の整備
第二東名高速道路の厚木南インターチェンジ(仮称)へのアクセス道路及び国道129号の交差点の解消を目的とし、平成12年度から事業着手し調査を行っている。
イ 伊勢原立体(横浜伊勢原線)の整備
(都)横浜伊勢原綿の整備(延長約0.7km)とあわせ、小田急小田原線の高架化を進めている。平成12年度は本線の道路改良と、小田急電鉄による鉄道高架整備を行っている。
うるおいとやすらぎのある道路の整備

相摸川と一体となった水とみどりの軸の形成を図るため、南北方向の自転車道の整備を促進する。

ア さがみグリーンライン自転車道の整備
現在、さがみ縦貫道路と並走する、海老名市河原口〜寒川町一之宮の約10kmを当面の事業区間とし、寒川町分(l=4.42km)は、国土交通省横浜国道工事事務所と協定を締結し、用地買改を進めている。
また、海老名市分(L=4.75km)については、国土交通省横浜国道工事事務所及び日本道路公団と協定を結び、用地買収を進めている。  

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