建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年8月号〉

寄稿

道南の社会資本整備を着実に推進

北海道函館土木現業所長 佐々木 眞

はじめに
函館土木現業所は、渡島支庁と檜山支庁の管内を所管しており、管内の総面積は、6,565km2で全道のおよそ8%を占め、栃木県の面積に匹敵します。函館湾を中心に扇状に広がる函館平野があるものの、全体としては平野部が少なく山地が海岸まで迫る厳しい地形となっています。
気候は、積雪寒冷地の激しい北海道にあって、北上する対馬暖流の影響により、寒暖の差が少なく比較的温暖で、積雪量も山間部の一部を除いて少なく、道内でも最も恵まれた地域ですが、冬期間は季節風が強く道内でも有数の強風地帯となっています。
平成15年度事業について
道路事業では、函館市と南茅部町を結ぶ主要道道函館南茅部線において、平成14年度から交通連携事業を着手しており、今年度は事業の中心となる新川汲トンネル(仮称)の本体工事に着手する予定です。また、新川汲トンネルの整備事業は「交流ふれあいトンネル事業」として選定され、地域間の交流、活性化を図る事業として位置づけられています。
▲街路事業(3・5・8姥神津花通)
街路事業では、古い歴史を持つ江差町において、通称いにしえ街道と呼ばれる3・5・8姥神津花通、3・5・9中歌姥神通の道路整備の事業促進を図ります。
空港整備事業では、奥尻空港の整備を実施しています。奥尻空港は昭和49年に800mの滑走路を有する第三種空港として供用が開始されましたが、旅客数の増加に伴う航空機の大型化に対応し、平成11年度から滑走路延長事業(800m→1,500m)を実施しており、平成15年度末の第1期供用開始に向け事業の促進を図っています。
公園事業では、函館市北部の丘陵地において平成10年度より事業を実施している「道南四季の杜公園」が7月下旬に一部供用を開始し、平成16年度の完成に向け事業を促進しています。
河川事業では、平成5年の北海道南西沖地震を契機とした高潮対策事業を白水川、球浦川、烏頭川(奥尻町)、上古丹川(大成町)で促進し、今年度完成を目指します。また江差町の田沢川統合河川整備事業では、国道橋、町道橋の架け替えに着手する予定でいます。
砂防関係事業では、砂防事業の南茅部町の川汲清水川、砂原町の梨の木沢川、大成町の常願寺川を、急傾斜地崩壊対策事業の松前福山2の完成を予定しており、新たに今金町の第2幹線川砂防事業に着手する予定です。また、駒ヶ岳の火山対策として、砂原工区の泥流調整池に着手するほか、警戒避難に供する情報伝達整備の充実を図ります。
漁港関係事業では、松前・白神・上ノ国・汐吹・奥尻・赤石の各漁港の完成を目指し戸井漁港において新規着工を予定しています。
おわりに
今後とも国や地方自治体の厳しい財政状況において、社会資本の整備にあたっては、関係機関との連携を図りながら計画的かつ効率的に進め、投資効果の早期発現が期待される事業や、防災対策等の観点から緊急性の高い事業を主体として取り組んでいきたいと考えています。

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