建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年6月号〉

寄稿

平成15年度事業執行に向けて

北海道釧路土木現業所長 宮川 英二

はじめに
釧路土木現業所の平成15年度の事業としては、当初公共予算で前年度比99.6%の217億7千万円の執行を予定しております。
管内は阿寒、知床、釧路湿原の三国立公園と厚岸、野付・風連の二道立自然公園を有しており、この雄大な自然と調和した豊かでうるおいのある地域を目指し、関係機関や市町村そして住民の皆さんとの連携を図りながら、快適で質の高い社会基盤整備づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。
▲庶路ダム建設事業
▲釧路川・ふるさとの川整備事業

平成15年度事業について
道路関係では、交通渋滞対策をはじめ、空港や港湾とアクセスする道路の整備、国立公園・道立自然公園の周辺道路や北太平洋シーサイドラインを形成するルートの整備など、交通ネットワークの拡充整備を進めていきます。さらに、歩道の整備や急カーブ・急勾配の解消などの交通安全、冬道対策、地震・災害に強い安全な道づくりなど、快適で質の高い社会資本整備づくりを推し進めていきます。
主な事業では、知床公園羅臼線(羅臼町)のモセカルベツトンネルが今年完成・供用開始、引き続き天狗岩トンネルの掘削を進めていきます。また、根室中標津線(別海町中春別地区)では地域高規格道路の整備に向けた環境アセスの準備として環境調査などを実施します。
治水関係では、水産業の振興を図るために漁港整備を促進するほか、地域住民の生命・財産を守り安全で快適な生活環境を創出するために、河川・ダム・海岸・砂防・地すべり・急傾斜地崩壊対策などの国土保全の整備にも積極的に取り組んでいきます。
主な事業では、雌阿寒岳の火山泥流及び土石流等の災害から住民を守る警戒避難対策事業の推進、「ふるさとの川整備事業」を進めている釧路川では、住民参加による推進懇談会を開催するなど地域住民の意見を取り入れた親しみのある地域と密着した事業を進めています。
また、ダム湖の名称が「GREEN LAKE 庶路」と決定した庶路ダムでは、平成16年度の完了に向け事業を推進します。新規事業としては、釧路湿原保全のための自然再生事業として久著呂川の整備に着手します。
おわりに
依然として、国及び地方の財政環境は依然厳しく、公共事業についてもそのあり方が問われるなど、これからは今まで以上に、政策アセスメントの思想に照らして事業の優先度を考慮し、より一層の効率化を図る必要があるものと考えております。

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