建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年1月号〉

寄稿

「安全・安心」の向上と地域の交流・連携強化を図るため、ソフト面含めてさらなる充実に全力

新潟県 糸魚川土木事務所長 清水 洋一

清水 洋一 しみず・よういち
新潟県長岡市出身。53歳
新潟大学工学部土木工学科卒
昭和46年新潟県小千谷土木事務所採用
以来、土木部港湾課、道路維持課雪寒事業係主任
糸魚川土木事務所道路課道路第二係長
道路建設課橋梁係長、(見附市建設課長)
技術管理課課長補佐
港湾空港局振興課企画主幹などを歴任
平成14年4月より現職

管内の道路は、海岸線に沿って国道8号が通り、平行して高速道路が走っています。国道から川沿いに各谷に入る各県道(櫛形)がありますが、それをつなぐ道路がないため一旦8号に出てから、また谷筋の道路に入るという不便な状況になっています。改良率は77%で県の平均並みです。
河川は、2,500m前後の山岳部が海岸線に迫っているため、急流河川がほとんどです。また、姫川はフォッサマグナの西縁で糸魚川静岡構造線、姫川東部は新第三紀層、西部は古生層の脆弱な破砕地帯で、自然条件が非常に厳しい地域となっています。

さて、14年度予算の概要は、補助事業が65ヵ所で77億9千5百万円、単独事業20億3千百万円、維持管理費2億6千9百7十万円の全体で100億9千万円となっており、13年度比99.4%と他地域より落ち込みは少なくなっています。
内訳は、道路約33億円、河川海岸約5億3千万円、砂防・地すべり約24億円、港湾と漁港が約35億円となっており、漁港は14億円と16%伸びています。

主な事業ですが、県代行の町道名立大町小泊線名立橋の架け換えを進めており、関連して県道東飛山名立線も併せて14年度供用開始の予定です。県道西中糸魚川線は、県総合庁舎から糸魚川病院を経て、直轄事業の国道8号糸魚川東バイパスに至る都市計画道路・中央大通り線の一部ですが、14年度は7億円で、新海川橋(仮称)の下部工完成と上部工の製作・架設に着手し、15年をめどに糸魚川浄化センターまでの供用開始を予定しています。
河川事業では平成7年の災害復旧が終了したため、かなり事業が減りましたが、現在は前川水系河川整備計画に基づいて河口から約1.1q区間を対象に改修を進めており、河口付近の拡幅と、国道8号東バイパスと交差する区間の用地買収・物件補償を行なっています。

火山砂防については、昭和49年に大規模な爆発をし、今後も予断を許さない焼山は、新潟焼山砂防基本計画に基づいて砂防施設(3億8千4百万円)を、その他、猿倉で雪崩減勢工(2億3千万円)を整備しています。
次に港湾整備ですが、姫川港は11億5千万円で、防波堤や泊地浚渫などを行なっているほか、海岸浸食に7億6千万円、海岸環境に1億6千万円となっています。13年度の姫川港の取扱量が408万tと過去最高となる確実な伸びを示しており、リサイクル港湾として国の指定も期待しています。一方、漁港整備では、名立・筒石・能生・浦本の4港を14億円で施設及び環境整備を図っています。

最後ですが、地域高規格道路・松本糸魚川連絡道路については、自然の脅威から守る「安全・安心」の向上、地域の交流・連携強化を図る意味で重要な道路と位置づけておりますので、県内の調査区間の整備区間への格上げ、未指定区間の調査区間指定を目指し、調査の熟度を上げています。特に姫川港については、さらに拠点性がアップしていきますので、それに則した整備に力を入れていく必要があります。


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