建設グラフインターネットダイジェスト
〈建設グラフ2003年1月号〉
寄稿
千葉発展の基盤となる幹線道路網づくり
国土交通省関東地方整備局 千葉国道事務所長 野口 宏一
野口 宏一 のぐち・ひろかず
昭和33年5月31日生
昭和58年3月名古屋大学大学院修了
昭和58年7月建設省九州地方建設局
平成14年7月千葉国道事務所長
▲富津館山道路
1.はじめに
千葉国道工事事務所は、千葉県内の一般国道6号、14号、16号、51号、126号、127号、357号、409号の8路線、約300kmの維持管理、バイパス整備などの改築事業、共同溝等整備事業、交通安全対策事業などの他、首都圏中央連絡自動車道等の高規格幹線道路整備事業を担当しています。
以下に千葉国道工事事務所管内の主な事業について紹介します。
2.事業の概要
(1)一般国道127号富津館山道路
一般国道127号富津館山道路は、富津市竹岡から富浦町深名に至る延長19.2kmの自動車専用道路です。東関東自動車道館山線、東京湾アクアライン、首都圏中央連絡自動車道などの高規格幹線道路と一体となって、千葉県の広域的な道路網を形成し、沿線地域の暮らしを支え、経済・文化等の発展に寄与する道路となります。また千葉県南部の東京湾に面した内房地域では、一般国道127号が唯一の幹線道路ですが、狭小トンネル、線形不良個所が連続し、円滑な交通が確保されていない状況にあります。特に春夏の観光シーズンには交通渋滞が頻発し、また地形が急峻、脆弱なために気象状況に左右されやすく、異常気象時には事前通行規制を実施しているところです。
富津竹岡ICから鋸南富山IC間11.0kmについては@期区間として平成11年3月27日に供用を開始しています。現在、A期区間である鋸南富山ICから(仮称)富浦ICまでの8.2kmについて、鋭意事業を進めているところです。
(2)一般国道468号首都圏中央連絡自動車道
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は、都心から半径40〜60kmの位置に計画されている延長約300kmの高規格幹線道路です。都心から放射方向の幹線道路と接続する圏央道が完成すると、都心をただ通過するだけの交通を排除し、また、都心近郊の交通を適切に分散導入することにより、首都圏の交通混雑を緩和します。
木更津、成田、筑波研究学園都市、川越、青梅、八王子、厚木、横浜などの中核都市を連絡することにより、業務機能を適切に分散させ、地域発展を促進するなど首都圏のさらなる発展のために重要な役割を担います。
平成13年3月22日には木更津市において多くの来賓ご出席のもと、千葉県の圏央道の起工式が執り行われ、本格的な工費に着手したところです。千葉県内は約96qの延長があり、現在、茂原から木更津間の28.5qについて用地買収及び工事に着手しています。
(3)一般改築事業
一般国道6号南柏駅前交差点改良
南柏駅前交差点は、一日の自動車交通量が5.4万台、横断歩行者・自転車がそれぞれ6千人、5千台にのぼり、歩行者等の安全確保及び渋滞の解消が急務となっています。横断地下道の設置等により、交通安全、渋滞解消、周辺道路への迂回車両の減少を図るものです。
一般国道51号北千葉拡幅・成田拡幅・大栄拡幅
北千葉拡幅は、北千葉バイパスの延伸部の千葉市若葉区若松町から四街道市成山に至る延長4.9kmの現道拡幅事業で、沿道の工業団地等の開発による交通量増大に対処するためのものです。
大栄拡幅は、大栄町桜田(東関道水戸線大栄IC)から同町所に至る延長1.5kmの現道拡幅で、東関道と東総有料道路のアクセスとしても重要な道路です。
成田拡幅は、成田市並木町から同市東金山に至る一部バイパスを含む延長5.8kmの現道拡幅事業です。完成区間から順次供用し、現在4.6kmを供用しています。都市整備が精力的に行われている沿道の成田空港、成田ニュータウンをはじめとする地域は年々交通量が増大しており、国道51号では最も交通量の多い区間となっています。
一般国道127号子安拡幅
子安拡幅は、君津市小山野から木更津市櫻井に至る一部バイパスを含む延長10.7kmの現道拡幅事業で、平成12年までに7.8kmを供用し、残る区間の整備を進めています。
(4)共同溝整備事業
千葉国道管内の共同溝は、京葉臨海工業地帯と東京都との連絡を図る幹線共同溝であり、一般国道16号、14号、357号からなる東京湾岸道路に沿うもので、総延長70kmの計画です。
既に17.2kmの本体工事が完成し、うち16.6kmを供用しています。神明共同溝、蘇我・村田共同溝の本体整備のため、発進縦坑の工事に引き続きシールド工、中間縦坑の工事に着手します。
(5)その他
高度情報化社会の実現と良好な都市景観を構築するため、地下空間を活用して電線類を収用するための電線共同溝事業、情報ボックスの整備、橋梁の震災対策事業、異常気象時における事故を未然に防ぐための事前通行規制、交通安全施設を整備し、交通事故の減少と交通の円滑化を図り、バリアフリー化を進める交通安全対策事業等、千葉国道管内の事業は広範にわたっています。
3.おわりに
千葉県における幹線道路整備に対する期待は大きく、千葉国道工事事務所では21世紀に向けた幹線道路整備を計画的に進め、広域的な地域交流・連携による地域の活性化・よりよい地域づくりを支援していきたい。
▲東関東自動車道水戸線大栄ic付近
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