建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年1月号〉

寄稿

宗谷の安全で活力に満ちた社会・経済・生活の実現

国土交通省北海道開発局

稚内開発建設部 稚内開発事務所長 伊藤 一男

管内概況
稚内開発事務所は、治水事業として宗谷支庁管内の二級河川のうち、北海道の総合的開発のため特に必要が認められて指定された声間川の改修事業を実施しています。
このような河川の改修工事を進めることによって、周辺地域の水害が軽減され、未開地の農地化も可能になってきました。
道路事業としては、一般国道40号と238号の2路線のうち、稚内市・豊富町・猿払村の1市1町1村にまたがる区間の改築・維持・除雪・交通安全に関わる事業を実施しており、また、開発道路として指定された一般道道稚内猿払線の新設工事も行っています。
これらの道路は、宗谷地方と道央圈との社会と経済活動の流通路として人々の生活を支え、また、教育・文化・医療水準などの向上を求める地域社会の生活道路として重要な役割を担っており、さらに利尻・礼文・サロベツ国立公園や、日本最北端の地「宗谷岬」などの観光地を訪れる人々にも広く利用されています。
事業概要
○治水事業
安全で豊かな宗谷の生活基盤の形成を図るために、指定河川声間川では、暫定堤防の完成化を継続して進め、さらに、洪水調節を目的とした大沼遊水池計画を地元との調整をはかりながら継続実施し、水辺の自然環境の保全、自然との共成を目指し、水と緑が豊かで「魚、鳥、人にやさしい川づくり」を基本に整備を進めています。
○道路整備事業
新道路整備五箇年計画の最終年であり、本格的な計画推進の年として、「人中心の安全で活力に満ちた社会・経済・生活の実現」を図るための政策を強力に推進します。 1.高規格幹線道路等
一般国道40号では、冬期交通の安全性、確実性及び高速性を考慮するとともに、地域産業の振興と総合物流対策支援を目指し、高速自動車国道と並行する一般国道自動車専用道路として、豊富バイパス(l=16.0km)の整備を進めます。また、幌富パイパス(l=10.9km)の設計協議を進めます。 2.一般国道改築事業
(1)物流の効率化、都市内交通の混雑緩和
重要港湾稚内港や稚内空港の物流拠点としての連絡を強化し、物流の効率化と地域経済の活性化に資するとともに、都市内の交通渋滞緩和を図るため、一般国道238号稚内市はまなす地区において、4車線化の拡幅事業を進めます。
(2)交通安全対策、冬期交通障害対策
幅員狭隘箇所や道路線形不良個所の解消、冬期における堆雪スペースの確保など、快適な道路交通を確保するための改築事業を進めます。 3.開発道路整備事業
国道等の幹線道路とのアクセスを強化することにより、地域産業の発展と地域住民の生活の安定、向上に貢献するとともに、冬期間の交通障害のときには代替路線となるなど、社会的・経済的にも大きな効果が期待されている開発道路の整備を進めます。 ○道路環境整備事業
交通安全対策として、歩行者の安全及び車両交通の安全・円滑化を図るための施設整備を計画的・重点的に進めます。

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