建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年11月号〉

寄稿

活力と希望に満ちた21世紀社会を実現する道づくリ

国土交通省　関東地方整備局　横浜国道工事事務所長　稲寺　隆

稲寺　�驕@いなでら・たかし 昭和26年生 長野県小諸市出身 金沢大学大学院(修士)修了 昭和51年4月 建設省入省 九州地方建設局 道路計画第二課長、沖縄開発庁沖縄総合開発事務局 道路建設課長、自治省消防庁 危険物規制課長補佐、鹿児島市 助役、常陸工事事務所長などを経て、平成12年4月より、横浜国道工事事務所長 (現職)

はじめに

横浜国道工事事務所が位置する神奈川県は、首都圏はもとより日本の社会経済をリードする存在でありますが､県内道路の交通量は16,300台/12h(h11ｾﾝｻｽ)と全国平均の約3倍、平均走行速度25km/hと全国平均の約7割と、社会経済活動などに多大な支障をきたしています。こうしたなかで都市の再生、地域の活性化、物流の効率化、環境の改善、少子高齢化への対応、it社会の基盤形成などを目指し、長期的な視野に立った道路整備を推進していきます。

一般国道468号　首都圏中央連絡自動車道(圏央道)

当事務所は神奈川県内の横浜市金沢区釜利谷町〜厚木市上依知までの延長約38kmについて｢高速横浜環状南線｣｢横浜湘南道路｣｢さがみ縦貫道路｣として事業を進めています。
高速横浜環状南線は横浜環状道路の一部もなす延長8.9kmの道路で､平成7年4月に都市計画決定され､平成12年3月に一部工事着手､同年4月には日本道路公団へ有料道路事業許可がなされ､公団との協力のもと事業を進めています。
横浜湘南道路は延長7.5kmの道路で､平成12年7月に都市計画決定され､平成14年度は調査･設計･用地買収を鋭意進めていきます。
さがみ縦貫道路は県央部を相模川沿いに北上する延長21.6kmの道路で､平成6年6月に都市計画決定され一部工事に着手しておりますが､平成14年3月に海老名北icから久喜白岡jct(東北自動車道)まで日本道路公団へ有料道路事業許可もなされ､公団との協力のもと事業を進めていきます。

▲さがみ縦貫道

一般国道357号　東京湾岸道路

平成13年10月には首都高湾岸線ｖ期の全線開通に併せ、関連区間を4車線化しました。横浜ベイブリッジについては斜張橋部の架設を平成13年1月に完了し、今後も臨港道路整備(港湾事業)との一層の連携を図り工事を鋭意進めていきます。

▲横浜ベイブリッジ上空よりmm21地区を望む

一般国道246号　厚木秦野道路

一般国道246号のバイパスとして計画され、地域高規格道路に位置づけられた延長29.1kmの自動車専用道路で､平成8年6月に都市計画決定され､そのうち既に事業化されている厚木地区･伊勢原地区においては平成14年度､調査･設計を進めるとともに用地買収及び工事を鋭意進めていきます｡また､平成13年度事業化された秦野ic関連は平成14年度､調査･設計を鋭意進めていきます。

一般国道246号　厚木秦野道路

原宿交差点は、神奈川県内でも際立った渋滞ポイントであり、当事業は原宿交差点を立体化することにより、慢性的な交通渋滞の緩和が図られることから早期の完成が期待されており、平成12年度から工事に着手しています。

一般国道1号　新湘南バイパス(�U期)

新湘南バイパスは、茅ヶ崎市、平塚市付近における交通混雑の解消を図るため計画された延長約15.1kmのバイパスであり、これまでに�T期区間(藤沢IC〜茅ヶ崎西IC間、約8.4km)及び�A期区間の一部(茅ヶ崎西IC〜茅ヶ崎IC間、約1.4km)を供用しています。現在、残る区間について早期供用を目指し、平塚地区の工事及び用地買収を鋭意進めていきます。

一般国道1号　小田原箱根道路

小田原箱根道路は、一般国道1号、西湘バイパス、小田原厚木道路が集中する箱根口付近の渋滞緩和等を目的とする延長約2.2kmのバイパスであり、平成8年度から工事に着手しています。平成14年度は用地買収を進めるとともに全面的に工事を促進します。

一般国道16号　保土ケ谷バイパス

保土ヶ谷バイパスは､東名高速道路､横浜横須賀道路､横浜新道等の幹線道路を連絡し、横浜市及びその周辺地域の交通混雑の緩和を図る延長約12.9kmの自動車専用道路で、昭和49年度に4車線で全線暫定供用し、さらに平成9年度までに新保土ヶ谷ICから上川井ICまでの間(約8.7km)の6車線化及び横浜町田立体(上川井IC〜横浜町田IC、約2.1km)を完成供用しています。また平成14年4月には環状2号線との流出入のための新桜ヶ丘ICを供用しました。平成14年度は引き続き新保土ヶ谷IC〜上川井IC間の環境対策(低騒音舗装等)を鋭意進めていきます。

一般国道246号　山北バイパス

一般国道246号のバイパスとして事業を進めている山北バイパスの現道区間は、連続雨量150mm以上の場合事前通行規制をする箇所であるため、沿道の住民も含め道路利用者から事前通行規制区間の早期解消のため、事業の促進が期待されています。平成14年度は瀬戸地区の暫定供用に向け鋭意工事を進めていきます。

▲山北バイパス

共同溝事業

共同溝事業については、横浜市内を中心として、一般国道1号(浜松町共同溝)、15号(子安共同溝)、16号(保土ヶ谷共同溝)、357号(金沢共同溝)でそれぞれ鋭意事業を進めていきます。

▲共同溝

電線共同溝事業

電線共同溝事業については、平成7年度より横浜市三ツ沢地区から事業に着手し、引き続き横浜市、川崎市、厚木市、茅ヶ崎市、小田原市、横須賀市、大磯町などで鋭意事業を進めていきます。

沿道環境改善事業

沿道環境改善事業については、遮音壁や低騒音舗装といった環境対策に加えて、川崎市内の一般国道1号において、緑地帯や広幅員歩道など確保し、ゆとりあるみちづくりへ向けた取り組みを展開していきます。

交通安全対策事業

交通安全対策事業としては、一般国道16号伊勢佐木町共同溝と一体施工により平成14年4月｢羽衣・伊勢佐木地下駐車場｣が供用しました。平成14年度は横浜市、横須賀市での歩道橋設置、交差点改良などの事業を鋭意進めていきます。

維持修繕事業

維持修繕事業として、平成14年度は一般国道16号南本宿高架橋などの耐震補強及び橋梁補修､一般国道16号吾妻トンネルのトンネル補修などの事業を鋭意進めていきます。

おわりに

昨年、横浜国道工事事務所は創立40周年を迎え、これまで当事務所が果たしてきた役割をあらためて振り返る機会にも恵まれました。そしていま「転換期」にあるといわれ活力と希望に満ちた21世紀社会を実現するため、国民にわかりやすい道路政策を展開し、低コストで早期に効果を発現する整備や管理を着実に進め、利用者がより使いやすくなるような道路ストックの有効活用を図り、安全で快適な道路サービスの提供を実現するために自治体、関係機関、各地域などと一体となって安全で安心できる社会づくりを目指します。