建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年10月号〉

寄稿

総人口普及率95%

雨水整備や都市型浸水、耐震診断システムに積極的に着手

大雪山を源流とする石狩川水系に抱かれ

旭川市水道局 事業部次長 遠藤 賢次

遠藤 賢次 えんどう・けんじ
生年月日 昭和21年6月11日
昭和42年旭川高専卒業
平成7年建設課主幹
平成9年工務課長
平成12年建設課長
平成13年事業部次長
はじめに
旭川市の公共下水道は、昭和32年に市街地454haの事業認可を取得し、昭和33年に事業に着手いたしました。
その後、認可変更を重ね、下水終末処理場は、亀吉下水終末処理場と下水処理センター(西部下水終末処理場)を有し、分流式(一部合流式121ha)を基本に整備を進めております。
さらに、大雪山を源流とする石狩川水系の水質保全を図ることから、昭和52年には旭川市と近隣5町(東神楽町、鷹栖町、比布町、当麻町、東川町)による、旭川広域圏下水道計画として共同処理を行っています。
昭和33年から平成13年度末現在まで208,382,520千円を投資し、その間に施工した管渠延長は約1,782kmとなっております。認可区域面積は、汚水7,919ha、雨水7,889haで、処理能力は304,000立方メートル/日の計画となっております。
整備の現状
(1)管渠
1.汚水
平成13年度末現在の整備状況ですが、行政区域内人口361,372人に対し、処理区域内人口342,213人となり、総人口普及率は約95%であります。
整備面積は7,475haで、認可区域に対し約94%の進捗であり、市街地の汚水整備にほぼ目途がついてきた状況であります。

2.雨水
認可区域面積7,889haに対し、浸水被害の発生している地域、及び浸水被害の恐れがある地域を優先的に整備する雨水整備対象区域3,773haを設定し整備を進めており、平成13年度末現在の整備面積は1,646haで約44%の進捗状況ですが、汚水整備に比べるとまだまだ遅れている状況であります。

(2)処理場
昭和39年に供用開始をした亀吉下水終末処理場の現有処理能力は、認可計画の52,000立方メートル/日に対し、現有処理能力は45,000立方メートル/日でありますが、供用開始から38年が経過をしていることから、水処理施設等の更新事業を現在進めているところであります。
一方、下水処理センター(西部下水終末処理場)は、昭和56年に供用開始がされ、現有処理能力は7系列126,000立方メートル/日を有しております。また、汚泥の処理は、脱水後陸上埋立てとしておりましたが、平成7年度の「廃掃法」の改正を機に、減量化を図るべく平成8年4月に1号炉(80t/日)を稼動させたところであります。さらに、増加する流入汚水量に対応するため2号炉(60t/日)の増設を行い、平成13年4月から稼動している状況で御座います。

(3)市民に親しまれ、目にみえる下水道としての取り組み
1.水緑景観モデル事業(現水環境創造事業)
雨水幹線整備に伴い、農業用水の水源補償が生じたことから、雨水幹線を上下2層構造とし、下部はボックスカルバート、上部水路は開渠とし、農業用水の確保を図ると共に、周囲に植栽や遊歩道を設け、親水性のある「せせらぎ水路」としたものであります。
現在は、「永山せせらぎ通り」として地域住民のイベントなどに利用され、また、夏の暑い時期には、子供たちが水遊びに興じるなど地域には欠かせない施設となっております。(写真−1)
2.アピール下水道(現リサイクル推進事業)
下水道資源多目的活用センター
下水道の役割をアピールすることを目的に、下水処理センター内に温室を建設し、バナナ、パイナップルなどの熱帯植物を育て、また、降雨体験コーナなど設置して、市民に開放しております。(写真−2)
3.積雪対策下水道事業(現リサイクル推進本業)
融雪槽
下水処理センター内に汚水の調整槽を建設し、冬期間は処理水を利用し融雪槽として活用するものであり、平成10年1月から供用しております。(写真−3)
(融雪能力10,000t/日、処理水量102,000t/日)
これからの展望
これまでは、汚水整備に重点を置き整備を進めてきましたが、総人口普及率が約95%となり、市街化区域の汚水整備に一定の目途がついたことから、今後につきましては、先送りしていた雨水整備を積極的に取り組み、都市化の進行と共に増加傾向にある都市型浸水被害の解消を図ると共に、管渠においては、供用開始から44年経通し、更新時期を迎えることから、耐震診断システムや台帳管理システムの構築など、管渠更新に向け維持管理体制の強化を図っていくことが重要と考えております。
また、市街化区域内の整備に一定の目途がついたことを踏まえ、認可区域に隣接する市街化調整区域の集落の生活排水処理について、下水道類似施設を所管する関係部局との協議を進め、その整備手法について検討しなければと考えているところでありますが、公共事業を取り巻く情勢は大変厳しい状況にあることから、事業執行に当たっては、より一層のコスト縮減に努めるなど、効率的な事業の遂行をしなければならないと考えているところであります。

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