建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年8月号〉

寄稿

【特集:日本道路公団九州支社─part2─】

九州循環型ハイウェイの整備─東九州自動車道
4車線化によるサービスレベルの充実─大分自動車道

日本道路公団九州支社 大分工事事務所長 田中 克則

田中 克則 たなか・かつのり
昭和54年4月日本道路公団入社
平成7年11月試験研究所技術情報課課長
平成10年4月企画部企画課調査役(EXTEC海外技術調査課課長)
平成12年11月長崎管理事務所副所長
平成14年4月大分工事事務所長
事務所概要
平成14年6月1日現在の組織は、庶務課、用地課、工務課、及び4工事区、2工事班である。大分自動車道のうち、大分県玖珠郡玖珠町大字帆足から大分県速見郡日出町大字南畑までの約38.5qの区間の4車線化工事及び大分県大分郡湯布院町大字川北から津久見市大字上青江までの財産整理、東九州自動車道のうち、津久見市大字上青江から大分県南海部郡蒲江町大字森崎浦までの約33.5kmの区間の新設工事、福岡県境から宇佐市までの約14kmの区間と蒲江町から宮崎県境までの約10kmの区間の調査、並びに宇佐別府道路の財産整理を担当している。
また、この他に国土交通省との合併施行により、日出バイパスの建設工事を担当した。
路線の概要及び特色
1.九州横断自動車道(玖珠IC〜大分米良IC間)
九州横断自動車道は、長崎県長崎市を起点として、長崎県、佐賀県、福岡県を通過し、大分県大分市へ至る延長254kmの高速道路であり、平成8年3月には大分市まで全通し、既に全通している九州縦貫自動車道と共に、クロスハイウェイを形成している。
路線は、ほぼ筑後川を平行しており、大分県側は山間ルートが多く、最長の代太郎トンネル(延長2,310m)をはじめ、九州管内の高速道路で標高(ph=734m)が一番高い地点(飛岳)、別府八湯の一つ明礬温泉をまたぐ別府明礬橋(全長411m)があり、湯布院、別府など九州を代表する温泉郷も数多く、沿線地域開発の他、文化交流、観光のルートとしても大きく期待されている。
この間の、佐賀県鳥栖ジャンクションから福岡県小郡市を経て、大分県日田市に至り、別府市及び県都大分市を結ぶ全長約135kmの高速道路「大分自動車道」では、現在、玖珠〜湯布院間21.8qにおいて四車線化工事を行っている。
当事務所は、第7次施行命令区間の湯布院IC〜大分IC間38.7km、第9次施行命令区間玖珠IC〜湯布院IC間20.9kmのうち、玖珠IC〜日出jct間38.5kmの四車線化工事を担当し、湯布院IC〜日出jct間16.7kmについては、平成14年5月25日に四車線化が完成した。四車線化延長38.5kmのうち、トンネル部3.0km(3箇所)、橋梁部3.6km(14箇所)と、約2割が構造物区間である。

2.東九州自動車道(大分米良IC〜津久見IC間)
東九州自動車道は、福岡県北九州市を起点として、福岡県、大分県、宮崎県を通過し、鹿児島県鹿児島市へ至る延長436kmの高速道路である。
路線は、大分米良ICを起点に、一級河川乙津川、大野川等を横過し、大分市大字宮河内において一般国道197号バイパスに接続する。さらに、県道大分臼杵線と並行しながら南進して九六位山をトンネルで抜け臼杵市に入り、末広ダム付近を通過し吉小野地区の東側をトンネルで抜け、同市野田で一般国道502号と接続する。これより南南東に進み、同市海添付近で一般国道217号を跨ぎ、津久見市との市境の山地部をトンネルで抜け、津久見市平岩でjr日豊本線を横過、同市上青江で一般国道217号に接続する。大分米良IC〜大分宮河内IC間6.2qは平成11年11月、大分宮河内IC〜津久見IC間21.0qは平成13年12月27日に開通した。全延長27.5qのうち、トンネル部7.2q(3箇所)、橋梁部5.6q(23箇所)と、約5割が構造物区間である。
路線の沿線には、多くの重要港湾や空港等の交通拠点、北九州市、大分市、延岡市、国分市等に代表される商工業都市が位置しており、また、近年におけるリゾート構想、テクノポリス構想等の地域開発計画が各地で推進されている。
本自動車道は、これらの海、空の交通拠点と生産都市やリゾート地等を有機的に結び、東九州の産業、経済、文化の活性化に重要な役割を果たすとともに、九州縦貫自動車道、九州横断自動車道とともに高速自動車国道のネットワークを成し、九州の一体的浮揚を担うこととなる。

3.東九州自動車道(津久見IC〜佐伯IC間)
東九州自動車道のうち、大分米良〜津久見間の延伸区間である津久見〜佐伯間13.2qは、都市計画決定手続きを経て、平成8年12月27日に整備計画が策定され、平成9年12月25日に施行命令が出されたところである。
路線は、津久見市、弥生町、佐伯市の2市1町を通過する。津久見市にて、一般国道217号とインターチェンジで接続した後、市街部及び山地部を橋梁及びトンネル構造で通過し、弥生町に至る。弥生町では、標高450m程度の山地部から、床木ダム付近にかけて、主としてトンネル及び橋梁構造で(主)佐伯津久見線に沿って南下し、佐伯市上岡付近にて同道とインターチェンジで接続する。全延長13.2qのうち、トンネル部4.8q(4箇所)、橋梁部4.0q(19箇所)と約7割が構造物区間である。

4.東九州自動車道(佐伯IC〜蒲江IC間)
東九州自動車道のうち、現在事業中である津久見〜佐伯間の延伸区間である。佐伯〜蒲江問19.6qは、平成10年12月25日に施行命令が出されたところである。
路線は、佐伯市、蒲江町の1市1町を通過する。佐伯市にて(主)佐伯津久見線をインターチェンジで接続した後、jr、国道、河川等を交差しながら、佐伯市街地の西側を通過し、元越に至る。元越から山口、山口から三軒屋までは、(主)佐伯蒲江線と並行して橋梁、トンネルで通過し、この区間の最大のトンネルで抜けて蒲江町に至る。森崎浦で国道388号をインターチェンジで接続する。全延長19.6qのうち、トンネル部8.8q(9箇所)、橋梁部3.2q(19箇所)と約6割が構造物区間である。

5.宇佐別府道路
宇佐別府道路(22.7q 但し連絡路0.3q)は、院内〜速見間(18.1q)が平成5年3月29日に、宇佐〜院内間(4.6q)が平成6年12月15日に開通している。大分農業文化公園ICについても大分県より受託し、平成13年4月18日に開通した。

6.日出バイパス
一般国道10号日出バイパスは、宇佐別府道路の速見インターチェンジより日出町を通る大分空港道路までの大分県速見郡日出町大字南畑と同町大字藤原を結ぶ延長9qの自動車専用道路。一般国道213号日出バイパス延長2.5qの大分空港道路関連区間(大分県施工区間)を介して大分空港道路と結ばれるものである。また、当道路は国土交通省との合併施工により整備するものであり、平成13年3月26日に事業許可がなされ、平成14年3月30日に開通した。全延長9qのうち、トンネル部1.7q(5箇所)、橋梁部1.2q(7箇所)と約3割が構造物区間である。日出バイパスは、北大道路の一部である宇佐別府などと一体となり、国道10号線の交通混雑の緩和を図るだけでなく、自動車専用道路のネットワーク効果を高め、大分空港へのアクセス改善、大分県北部地域の発展に寄与するものと期待されている。
▲床木川橋(下部工)工事 ▲湯布岳PA
▲槐木橋(PC上部工)工事 ▲湯布院舗装工事
▲水分トンネル工事 ▲東飯田工事
▲松木工事 ▲野上工事
▲拓郷橋(PC)工事

HOME