建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年8月号〉

寄稿

21世紀の都市圏の社会基盤整備に向けて

福岡県 北九州土木事務所長 新免 直樹

新免 直樹 しんめん・なおき
昭和22年4月11日生
昭和46年3月日本大学理工学部卒
昭和46年7月福岡県入庁
平成8年4月前原土木建設課長
平成9年4月土木部砂防課課長技術補佐
平成11年4月水資源開発課参事
平成12年4月流域下水道事務所長
平成13年4月土木部河川課長
平成14年4月土木部副理事(兼)北九州土木事務所長

当事務所は、北九州市、中間市及び遠賀郡4町(芦屋町・水巻町・岡垣町・遠賀町)の人口約115万人、面積約594q2の広範な区域を所管しています。
管内の中心都市である政令市の北九州市は、かつて「鉄の都」として日本の産業基盤を大きく支えた都市です。しかしながら、ヘドロやスモッグ等の公害が顕著となったことから、市民や企業及び自治体が一体となって公害の克服に取り組んできました。その結果、今日では星の見える緑豊かな国際学術研究都市として生まれ変わり、2001年7月には“響きあう人・まち・技術”をテーマとした「北九州博覧祭2001」が開催され、産業・環境・アジア等の視点で21世紀の新たなスタートをきったところです。
管内の道路交通体系は、九州自動車道を中心に、国道3号、国道10号が各主要都市と結節しています。この中で当事務所は、中間市及び遠賀郡4町に位置する国道495号と主要地方道8路線及び一般県道15路線の計約110qを管理しており、これらの道路は地域の生活と産業を支える交通ネットワークを形成しているところです。しかしながら、これらの道路は産業基盤を支える大型車の混入率が高いため舗装の痛みが早く、維持管理に大きな課題を呈しています。
道路関係の主な事業は、主要地方道中間宮田線の遠賀橋架け替え工事である。この工事は平成11年度までに下部工が完成しており、平成12年度から上部工に着手し、平成15年度の暫定供用と平成16年度の完全供用開始を目指しております。この橋の供用後は、交通渋滞の緩和と地域経済の発展に大きく寄与するものと期待されています。

▲遠賀橋

河川関係については、小倉南区のます渕ダムより流下する紫川において都市河川改修事業を行なっているところです。河口から小倉北区の市街地部分までは北九州市によるマイタウン・マイリバー整備事業でほぼ改修済であり、現在は「紫川河川整備計画流域懇談会」で地域を代表する各界の著名人の意見を聞きながら、まちづくりと一体となった川づくりのための河川拡幅と多自然型護岸による整備を進めています。
公園事業では、小倉北区、戸畑区、八幡東区の3区に跨がる中央公園において、県北部のシンボルとなる総合公園づくりを進めています。全体約89.8haのうち県の管理区域40.5haにおいて都市公園としてふさわしい施設の再配置を進め、平成15年度完成に向けて整備を行なっております。

▲中央公園 ▲なみかけ大橋

港湾事業では、芦屋港港湾改修に関連して背後地の芦屋町市街地における交通渋滞の緩和と交通安全を目的に、平成2年度から延長790m、幅12.5mの臨海道路波懸線の建設を進めているところであり、平成12年度までに遠賀川に架かる「なみかけ大橋(橋長345m)」の上部工が完成し、平成14年度夏に供用を行なう予定です。
遠賀川下流流域下水道事業は、遠賀川水系の水質保全と生活環境の改善のために平成7年度に事業着手して以来、処理場施設の建設、幹線管渠の整備延伸と、着実に事業の進捗を図っており、将来の下水処理水の再利用による良好な水環境の創造も視野に入れながら、平成15年度の一部供用開始に向けて関連市町と足並みを揃えながら事業を行なっております。
以上が当事務所の主な事業概要であるが、今後ともこれらの事業推進に向けて、関係市町と連携を図りながら21世紀の都市圏の社会基盤整備を図っていく所存です。


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