金沢鉄道建設所管内の事業概要について

松岡　孝　まつおか・たかし

昭和40年3月富山県立桜井高校卒業

昭和62年4月日本鉄道建設公団関東支社入社

平成4年4月北陸新幹線第二建設局

平成13年4月より現職

はじめに: 金沢鉄道建設所は、金沢市中心のJR金沢駅に隣接しています。金沢市は「伝統文化の街」「裏通りに歴史の伺える街」「静かで情緒のある街」などのキャッチフレーズで形容される、歴史と文化の豊富な街で、人口約43万人、年間約1,000万人近い観光客が訪れる北陸随一の都市です。

建設所の概要: 当建設所の担当範囲は、北陸新幹線小矢部市・金沢市間（延長約25㎞）で、スーパー特急としてのルートです。その構造別内訳は、トンネル約5割、高架橋約4割、橋りょう・路盤約1割となっております。
主なトンネルは、新倶利伽羅トンネル（6,630ｍ）、明神トンネル（2,880ｍ）があります。また、主な橋りょうは、岩崎架道橋（70ｍ、津幡北バイパス）、観法寺架道橋（80ｍ、国道159号交差点）、吉原架道橋（60ｍ、北陸自動車道）があります。

営業線近接工事: 当建設所の担当範囲・約25㎞中金沢市内の約9㎞が明かり区間ですが、そのうち、約5㎞（約2㎞が施工中）が、JR西日本・北陸本線に対する営業線近接工事となっています（別表参照）。

［別表］

梅田・観法寺BL 530ｍ施工中

森本BL 690ｍ施工中

森本駅BL 660ｍ施工中

横枕BL 560ｍ完了

法光寺BL 700ｍ完了

金沢東BL 740ｍ完了

金沢駅BL 330ｍ完了

金沢西BL 720ｍ完了

合計 4,930m

工事にあたっては、JR西日本との基本協定の締結、覚書の交換、施工計画の承認、施工打ち合わせ等を行い、列車間合い作業、近接施工に伴う軌道管理方法、架空線の防護、埋設物のチェック、列車防護に対する設備等を実施しております。代表的な工区としては、森本BLが挙げられます。

他事業との競合工事: 梅田・観法寺工区は、国土交通省が実施した金沢市街の環状道路（東部環状道路）と、現有しているバイパスとを結ぶジャンクションとの競合作業です。これらの工程調整、また道路切回など、第三者に対する保安面に関して十分に気を使う工区です。

今後の施工: 現在まで進めてきた高架橋工事は全体の80％と進捗してきており、道路、河川等の交差部の桁架設工事が最盛期となってきています。当建設所では、現在8件の桁架設工事を施工中であり、そのほとんどが道路規制（一部夜間施工）をして行われています。そのうち、吉原ｂｖは、北陸自動車上を跨ぐスパン60ｍの合成桁を架設するものですが、今秋、国土交通省、道路公団と同時施工という計画で、2日間の夜間通行止めにより実施する予定です。