建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年7月号〉

寄稿

【特集:日本道路公団九州支社─part1─】

九州横断自動車道 延岡線 御船〜矢部間に 全力投球

日本道路公団九州支社 八代工事事務所長 伊藤 幸恒

伊藤 幸恒 いとう・ゆきつね
昭和54年日本道路公団入社
平成8年中国支社保全第二課長
平成13年九州支社八代工事事務所長
事務所概要
八代工事事務所は、第七次施行命令区間(昭和48年10月19日)である九州縦貫自動車道の人吉IC〜えびのIC間(延長約22km)の四車線拡幅工事及び九州横断自動車道延岡線の御船〜矢部間(延長約23km)並びに一般国道3号のバイパスである南九州自動車道(八代日奈久道路・延長約12km)の新設工事を担当しています。
1.九州縦貫自動車道(八代IC〜えびのIC)
(1)八代IC〜人吉IC間(38.5km)
平成元年12月7日に暫定二車線で供用を開始した八代IC〜人吉IC間(蟹作仮取付42.7km)は、全体の約35%にあたる13.6kmについては付加車線として既に四車線化されていたため、残りの暫定二車区間24.9kmについて四車線拡幅工事を行いました。
四車線化工事は、八代IC〜坂本pa区間8.8km、肥後トンネル区間7.8km、六沢橋〜山江sa区間8.3kmの3区間に分け先ず、平成3年度よりサービス向上を目的として八代IC〜坂本paで着手し、平成4年度より肥後トンネルの人吉側で試験工事に着手しました。さらに、平成5年7月30日に四車線化事業が正式に決定し、残区間の六沢橋〜山江sa区間・肥後トンネル区間に着手し、平成11年4月14日に肥後トンネル区間の四車線化工事の完成により八代IC〜人吉IC間の四車線拡幅工事が完了しました。 (2)人吉IC〜えびのIC間(22.3km)
平成7年7月27日に暫定二車線で開通しました人吉IC〜えびのIC間(22.3km)については、平成11年1月8日の四車線化決定を受け、現在、橋梁下部工4件および上部工工事7件、およびトンネル工事4件、舗装工事1件の計16件の工事発注を行い、早期完成に向け鋭意工事を進めております。また、橋梁下部工4件・上部工工事6件・トンネル工事2件が竣工しています。
平成13年4月26日にえびのpa〜えびのIC間約2.5kmの四車線拡幅工事が完成しました。なお、人吉IC〜えびのpa間の4車線化工事も順調に進み、人吉ICから加久藤トンネルまでの区間(人吉、大畑工区l=9.5km)について、今年度早期の完成に向けて、現在急ピッチで工事を進めています。さらに、残る「加久藤トンネル」も貫通まであと1,000mを切り、今年度下半期には舗装工事の発注を予定しているところです。
2.九州横断自動車道 延岡線
九州横断自動車道延岡線(嘉島JCT〜矢部IC間約23km)は、平成8年12月27日に開催された第30回国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)により、整備計画区間として策定された区間で、九州のほぼ中央部で九州縦貫自動車道と東九州自動車道を連結し、東九州地域及び中部九州地域の産業・経済・観光・文化等の発展に大きく寄与すると期待されている道路です。
平成9年3月8日の調査指示及び建設省からの引継ぎを受け、平成9年度に地形地質・関連公共・気象等の調査及び航測図化により1/1,000の平面図作成等を行いました。
平成10年度には、その成果をもとに概略設計・施工計画・地方支援メニュー等の検討を実施、12月18日に調査報告を行い12月25日に施行命令がありました。
平成11年3月16日に事業説明会(県関係者および町長・町議会議長)を実施し、矢部町の住民への説明会3地区を平成11年6月25日に実施し、すべての説明会が完了。平成12年度までに路線測量を、平成13年度に土質調査を完了し、平成14年度は、上益城郡矢部町で試験工事を実施し、今後の設計に反映させる予定です。
路線は、九州自動車道御船ICの北約3kmの地点で分岐(嘉島JCT)し、九州山地裾部にあたる飯田山の南側を回るように北東に走り、一級河川「八勢川」を渡る付近から南東方向に進行方向を替え一般国道445号と交差する。その後、一般国道445号の南側をほぼ平行に走り、矢部町の市街地の北西約2km (矢部ICより約1km)の地点で、再び一般国道445号と交差し矢部市街地の北側へ抜け、矢部インターチェンジヘ至るルートです。
地形は、路線の大部分が丘陵地で起点側に低地や段丘・山地がある。計画高さは起点側の嘉島JCT付近で標高15m程度、終点矢部IC付近で標高500mの起点から終点に向けての上り勾配(最大縦断勾配4%)です。
3.南九州自動車道(八代日奈久道路)
八代日奈久道路(八代JCT〜日奈久IC間約12km)は、八代市を起点とし鹿児島市に至る。延長約140kmの建設大臣指定に基づく高規格幹線道路「南九州西回り自動車道」の一部で、八代市内の一般国道3号の混雑緩和と周辺地域の交通利便性の向上を目的として建設される道路です。
八代日奈久道路は、平成9年3月31日に事業許可を得て、建設省が用地買収・土工・トンネル・橋梁及び舗装工事の上層路盤までを施工した後、jhが引継ぎを受け舗装(基層及び表層)及び施設工事を行う合併施工方式により工事を行い、八代JCT〜八代南IC間(延長6.6km)は平成10年4月20日に開通、八代南〜日奈久IC間(延長5.4km)は平成13年10月6日に開通しました。
路線は、九州自動車道八代インターチェンジの南約1kmの地点で分岐(八代JCT)し、九州山地の山裾を妙見トンネル(延長約722m)他2本のトンネル等で通過、一級河川「球磨川」を延長484mの球磨川大橋を渡った後、jr鹿児島本線の東側をほぼ平行に南下し、八代南ICで国道3号に連絡します。八代南ICから先は、水田部(干拓地)を南下し、日奈久温泉の西側を通過後、日奈久ICで国道3号と連絡します。
八代南IC付近から日奈久ICまでは、水田部等のため地盤が弱く(地表25〜30m位までn値1〜5程度)高盛土に向かないことから、橋梁(平山高架橋:延長3,148m、日奈久高架橋:延長1,935m)で計画されています。
■九州自動車道 加久藤トンネル
▲南工事 ▲北工事

HOME