建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年2月号〉

寄稿

四国地方整備局営繕部となって

国土交通省四国地方整備局 営繕部 計画課長 嶋津 伸一

嶋津 伸一 しまづ・しんいち
千葉県出身、昭和41年8月6日生
平成 3年千葉大学大学院工学研究科建築工学専攻修了、建設省入省、本省大臣官房官庁営繕部建築課
平成 6年近畿地方建設局営繕部建築課構造係長
平成 9年関東地方建設局営繕部建築第一課営繕設計官
平成10年本省大臣官房技術調査室技術審議官付補佐
平成12年沖縄総合事務局開発建設部営繕監督室長
平成13年10月より現職

四国地方は、温暖小雨の瀬戸内海、比較的高温多雨な太平洋という性格の異なる豊かな二つの海に周囲が開かれていること、中央部には四国山地がつらなっていることにより各県で多様な気候となっている。また、多島美の瀬戸内海、西日本最高峰の石鎚山、四万十川の清流、鳴門の渦潮をはじめとする豊かな自然に恵まれるとともに、和紙、うちわ、漆器、水引細工に代表される伝統産業、四国八十ハヵ所のお寺を巡る四国遍路、阿波おどり、よさこい祭り、新居浜太鼓祭りなどの個性豊かな歴史・文化を有している。一方、全国平均に比べ少子高齢化が10年早く進んでいるという状況にある。
平成13年1月6日の省庁再編により、建設省中国地方建設局営繕部高松分室の所掌を引き継いで発足した四国地方整備局営繕部は、そういった多様な地域性と特色を有する徳島・香川・愛媛・高知の4県の官庁施設に関する営繕および保全の指導を基本的な業務としており、現在、221施設(330官署)、総延べ床面積35万平方メートルの官庁施設を所掌している。
四国地方整備局営繕部としては、四国地方のそれぞれの地域特性に応じた創意工夫を採り入れるとともに、「環境」、「歴史と文化」、「防災」、「ゆとりと潤い」、「福祉」、「情報」、そして「まちづくり」をキーワードに、市街地の活性化を図りつつ地域に根ざした、安全で親しみのある官庁施設の整備を目指している。
営繕部が四国地方整備局の一員となったことで、整備局内各部との連携が容易となり、一体となった総合的な施策を展開するとともに、今まで以上に地方自治体、地域とも密着した営繕行政サービスを提供している。具体的には新たに次のような取り組みがなされている。

(1)まちづくり
 四国地方整備局の一員となったことにより、「サンポート高松地区」等、シビックコア地区整備制度を活用したまちづくりを、企画部、建政部、港湾空港部等とより一層連携しながら進めることができるようになった。
(2)他官署、地方自治体との連携
 四国地区官庁施設保全連絡会議を、これまでの年1回高松市のみの開催から各県開催(年4回)として保全業務の充実を図るとともに、新たに設置された四国ブロック営繕主管課実務担当者会議などを通じて、地域に密着した形で、各官署や地方自治体と情報交換するようになった。
(3)会計・契約を全て地元で実施
 高松分室時代は、一定金額以上の契約は本官契約ということで、変更も含めて全て中国地方建設局(広島)で行っていた。営繕部発足にともない四国地方整備局で契約できることになり、請負業者等の利便が大幅に図れた。
(4)防災計画・防災活動の一体化
 四国地方整備局と一体となった防災計画・防災活動が図られることになった。
 四国地方整備局営繕部としては、行政に対する国民の期待やニーズの変化に伴い、ますます高度化・多様化する営繕行政の課題に的確に対応するとともに、公平性・透明性を確保しつつ、これまで以上に地域との連携を図りながら施設整備を進めてまいります。 


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