建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年1月号〉

寄稿

安全な生活と交流人口の増大をめざして

新潟県 十日町土木事務所長 堀 一好

堀 一好 ほり・かずよし
昭和24年1月18日生
三島郡越路町出身
昭和46年3月新潟大学工学部土木工学科卒
昭和46年4月新潟県庁入庁
平成8年4月十日町土木事務所道路課長
平成9年4月土木部都市整備局都市計画課課長補佐
平成12年4月小千谷土木事務所次長
平成13年4月十日町土木事務所所長
管内の交通体系
JR飯山線が信濃川沿いに走り、東西には北越急行「ほくほく線」が平成9年開業し、首都圏と2時間で結ばれている。道路は、管内を南北に縦貫する国道117号を中心に、東西に横断する4本の国道を広域幹線軸とする道路網が形成されている。
新たにこの道路網の東西の機軸となる「上越魚沼地域振興快速道路」は、上越市と六日町を結ぶ延長60kmの高規格道路で、平成12年、十日町〜六日町間の「八箇峠道路」10kmが直轄事業として着手され、早期完成が望まれている。
道路事業
国道改築事業は、国道117号津南町芦ヶ崎の大倉バイパス(大倉トンネル)工事に着手し狭隘部の解消を進め、また、交通安全施設(歩道)の整備にも努めている。国道403号では川西町小白倉で小白倉橋(仮称)の下部工事に着手し、小白倉バイパスの早期供用をめざしている。
県道改良事業は、主要地方道十日町当間塩沢線「大沢山トンネル」と当間高原リゾートのアクセス道路整備他8箇所で道路網の整備を進めている。また、世界でも有数の豪雪地帯のため、特に地域住民の生活と産業振興に大きな影響をおよぼす冬期間の交通確保が急務となっている。地方特定道路整備(雪間)工事として、スノーシェッドの整備を進めている。
管理河川と防災対策
管内の県管理河川は92河川であり、その延長は約317kmに及んでいる。未改修区間が多く急流のため、浸食が著しい河川が多く、安全で潤いのある河川改修を進めている。また、十日町市の晒川上流では、治水事業と併せて克雪都市を推進する流雪溝の水源を確保するため、総合開発事業に取り組んでいる。
砂防事業で12箇所、地すべり対策事業5地区、急傾斜地崩壊対策事業5地区とそれぞれ対策事業に取り組むとともに、特に山間部の土石流対策や雪崩防止対策を実施し、身近な暮らしの安全確保に努めている。
官民協働の地域活性化
当地域は、絹織物、魚沼コシヒカリ、高原野菜等、全国に誇れる特産物を有しており、当間高原リゾートの開業や温泉施設の整備など、官民一体となって、地域の活性化を進めている。
なかでも、十日町広域市町村圏を舞台とした里創プランが事業化され、平成12年度に「大地の芸術祭」が開催され、国内外のアーチストが妻有の大地に数々の芸術作品を展開し、大勢の観光客で賑わい、次回の開催に期待が集まっている。
今後は、高規格道路へのアクセス道路の整備及び当間高原リゾートの利用促進を支援する大沢山トンネルの早期完成と関連道路の整備並びに大地の芸術祭を支援する事業に重点的に取り組むとともに、中山間地域の活性化を図るよう、地域の期待に応えていきたいと考えている。

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