〈建設グラフ1999年1月号〉

interview

『太陽の丘』整備事業で医療・保健・福祉の総合サービスを図る

本別町長 高橋正夫 氏

高橋正夫
昭和26年1月3日生、本別町出身、本別高校卒
国鉄職員、同町町議会議員を経て平成9年9月、町長に初当選

十勝管内本別町は、ワインのまち「池田町」と歌手・松山千春のふるさと「足寄町」という全国区レベルで知名度の高い両町の間で、ともすると陰が薄くなりがちではあるが、現実には、地域に根ざした着実な地域づくりが地道に行われている。橋正夫町長は、「日本で一番、心豊かで暖かく、安心して暮らせるまち」を目指しており、『太陽の丘』整備事業はその理念に基づいたものだ。21世紀となる2001年に開基100周年を迎える本別町のまちづくり事業について、橋町長に伺った。
――まちづくりの基本姿勢は
2年後の2001年に本別町は、開基100年を迎えます。21世紀を迎えるこの時代に、いま一度、自分たちのまちの歴史を振り返り、100年前に開拓のために入植した先人たちの苦労や、先人たちが夢見、描いたロマンを鮮明に思い起こしていきたいと思っています。
そこで、これまで地域を大事にし、ここまで築き上げてきたわけですが、もう一度原点に戻り、地域のつながり、また人と人との本当の心のつながりを大事にして、自分達のまち、自分達の地域をしっかり自分達で築きあげていくのだという気持ちを思い起こして町民一万人の総意で、今後の本別町を築き上げていくという大前提を基にまちづくりを行っています。
歴史が人を創り、人が歴史を創ってきたわけですから、それを大事にしていきたいと思います。
――町の顔となる政策、事業は
今後は、少子高齢化の時代となり、全国3,300自治体のほとんどが過疎化すると言われています。しかし、人口が多いに越したことはありませんが、人口の少なさをもって落胆する必要もないと思います。そこに住んでいる住民がいかに幸福を感じたり、充実感を持っていただけるかが、最も大事なことだと思います。
我々も、町民の皆様が「この本別町に住んで良かった」と言っていただけるまちづくりを実施したいと思っています。
そのためには、安心して暮せる環境づくりがまず大切です。そこで現在、介護サービスの充実を図る「太陽の丘」整備事業を実施しています。これは、医療・保健・福祉の各分野において垣根が無いケアシステムとしての「総合ケアセンター」です。地域で支え合うネットワークづくりを図るため、シルバー産業の誘致・育成を実施し、官民一体で福祉のまちづくりを実施しています。
また、「夢と希望のあるまち」を目指し、21世紀の新時代に向けてのまちづくりも進めています。これからは、本別町に住んでいただければ、一生安心して暮らすことができることを宣言し、健康も福祉も環境もスポーツも全てトータル的に整備する考えです。この事業は、今年度から工事がスタートしましたが、私はこれを大々的にprしていこうと思っています。
今までは、“本別町”と言っても、どこにあるのか、全く知られていないのが現実でしたが、これからは、町民と一緒になって「日本一素晴らしい、心豊かで暖かく、誰もが安心して暮らせる、住みよいまち」にして行こうと、全力投球で頑張っていきます。

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